ジェレミー・シーゲル教授が、米雇用市場の状況次第では利下げが早まり、結果としてバリュー株のアウトパフォームが起こりうると予想している。
「昨日(11日)のCPIは決定的だった。
FRB利下げ開始まではグロースからバリューへのシフトは起きないと言ってきた。」
シーゲル教授がウォートンビジネスラジオで12日、CPIの予想以上の低下によってFRBが利下げの準備に入ると予想した。
シーゲル教授は(従前予想どおり)FRBがデータを見ながら7月31日FOMC、ジャクソンホールを経て9月FOMCで利下げすると予想した。
「これでは大統領選挙前になるとみんな話しているが、FRBは基本的にすべきこと、したいこと、インフレと失業率に関し議会より命じられていることをやるだろう。」
経済データが想定どおりに動くなら(これも従前予想どおり)ついにバリューの巻き返しが起こるという。
「木曜日(11日)にはS&P 500の400銘柄が上昇したのにS&P 500は下落した。
・・・小さな企業は短期調達により多く依存している。」
高いFF金利の下でアンダーパフォームしてきたバリュー株・小型株が元気を取り戻せば強気相場の幅が広がると、シーゲル教授は期待を述べた。
これまで(長期投資について)バリュー株を推してきた教授の鼻息は荒い。
この方向のデータが続けば、2000年初めのNASDAQバブルの頂点以外おそらく並ぶもののない、これまでの大型テック銘柄の信じられない急騰に匹敵するバリューの復活がついに起こっても驚かない。
シーゲル教授は、高いFF金利でも経済・企業の利益が好調ならば強気相場が続くと予想してきた。
今回のファクター予想では、FF金利低下を前提としてバリュー有利と予想している。
この成否にとって目下の最重要データは18日の新規失業保険申請件数だという。
結果いかんでは、コンセンサスよりも速い利下げもありうるとした。
「しばらく言ってきたように、12月までで2回分超の利下げがあっても驚きはしない。
また、もしも失業保険申請件数が上昇するならば、9月に50 bpの利下げの可能性も残っているだろう。
失業保険申請件数ほかの実態経済データが弱くなれば、市場はその可能性を話し始めるだろう。」