投資 企業

「ウォーレン・バフェットがS&P 500をすべて売った」という巧妙な騙し

0.017%、当初の0.010%という(バークシャーにとって)とても小さな数字は何なのだろう。
しかも、2つの銘柄を同時に買い、同時に売っている。


筆者の推測はこうだ:

  • 何かのテスト(ETFの差を検証する等々)
  • グループ内の一部門、一運用担当者あるいは買収先がたまたま投資した
  • 何かのヘッジポジションの片割れ

バークシャーは投資会社というだけでなく、保険からエネルギーまで幅広い事業を有するコングロマリットだ。
この0.017%に全社としての戦略性があるとは到底思えない。

このトピックを取り上げたメディアには、単に愚かな者もいれば確信犯もいるのだろう。
さらにSNSになると状態はさらに悪化する。
SNSはタイトルや短文だけを見て内容を見ない、裏を取らないユーザーで満ち溢れている。
しかも、何かにつけて危機のようなことを面白がる。
SNSではこのトピックが0.017%の数千倍ぐらいの話であるかのように見えているだろう。

こうした稚拙あるいは悪質な情報について、知的な投資家はどう対処すればよいか。
まず、メディアの質または原典をチェックすることだろう。
13Fを見るなど数分で出来ることだ。

問題はその次だ。
こうした稚拙または悪質な情報拡散は、知的な投資家にとってチャンスでしかない。
こうした情報、その蓄積の中に、いつか市場またはその中のセグメントを大きく揺らすものが出てくる。
そうしたデマに多くの人が右往左往する時こそ、知的投資家が活躍し収益化するチャンスになるのだろう。


 前のページ 

-投資, 企業
-

執筆:

記事またはコラムは、筆者の個人的見解に基づくものです。記事またはコラムに書かれた情報は、商用目的ではありません。記事またはコラムは投資勧誘を行うためのものではなく、投資の意思決定のために使うのには適しません。記事またはコラムは参考情報を提供することを目的としており、財務・税務・法務等のアドバイスを行うものではありません。浜町SCIは一定の信頼性を維持するための合理的な範囲で努力していますが、完全なものではありません。 本文中に《》で囲んだ部分がありますが、これは引用ではなく強調のためのものです。 本サイトでは、オンライン書店などのアフィリエイト・リンクを含むページがあります。 その他利用規約をご覧ください。