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「弱気」という言葉を使わないストラテジスト:ビル・グロス

ビル・グロス氏が、無理筋の強気予想を吐き続けるストラテジストらを嘲り、守りを固めるスタンスを示している。


市場ストラテジストらは『弱気』という言葉を発音できないようだ。
過去10%の調整が直前高値に戻した例を頼りにしている。
可能性はわずかだ。

グロス氏が15日ツイートしている。
同氏は始動したトランプ政権について「フランクリン・ルーズベルトの当初数か月の変化に似ている」と指摘し、国内だけでなく世界経済に大きく影響するだろうと予想している。

グロス氏が指しているのは財政面ではない。
財政面はむしろ真逆のように見える。
ルーズベルトはケインジアン的政策を実行したが、現政権はむしろ引き締め的だ。
グロス氏が注目するのはもちろん関税政策。
保護主義的スタンスがルーズベルト時代と似ているとの指摘だ。
グロス氏は、こうした動向が世界中でボラティリティ上昇と企業/消費者の信頼感低下に結びついていると主張する。

ルーズベルトが実行したニューディール政策は当然ながら株価を上昇させた。
主因はいうまでもなく財政拡張だ。
その財政政策が今回は少なくとも短期的には逆方向を向いている。
他に選択肢がないほど米財政への危機感が高まっているのだろう。
それだけでも強気になりにくい局面にあるはずだ。

グロス氏は景気に影響を与えている要因2つを比べている。
金融政策と関税だ。

「金利は景気後退/低成長によって変わるが、関税は間違いなく弱気材料だ。」

仮に金融環境が引き締まりすぎなら、景気が鈍化し金利に下押し圧力が働き、ある程度自動的に問題が解消されていく。
しかし、関税は意思が続く限り影響を及ぼし続ける。

こうした強気になれない状況で、グロス氏は「保守的」なポジションを取っているという。

  • パイプラインMLP: 繰り延べできる分配金利回り8%のWESやMPLXなど
  • 住宅ローンREIT: 2桁利回りのAGNCやTWOなど

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