問題は、個人の証券口座だった。
利用している証券会社の1つでは、余資を預け金でなく銀行口座にプールするルールになっている。
(ルールなのか、私が選択したのかわからないが、とにかく証券会社はそれを推奨してきたのだと思う。)
この預金について、預金保険の対象と書かれていた。
対象だから安心できるわけではない。
これが意味するのは、何かあった時の預金保険には上限額10百万円が適用されるということ。
(もちろん、あるなら清算配当は受け取れる。)
証券取引の待機資金としては、この金額は小さいように感じた。
仮に預け金ならば分別保管されることで一定の安心感が得られる。
しかし、銀行預金だと、銀行のリスクをかぶることになる。
繰り返すが、現時点で起こりそうにないリスクだ。
でも、日銀が金融政策変更を始めると、ごたごたするかもしれない。
完全に無視していいテーマではなかろう。
まだ具体的な手当てをできているわけではないが、方針は決まっている。
似たような前例があったためだ。
筆者は大昔に米国に赴任していた時期があり、現地に証券口座が残っていた。
貧乏だからたいした金額は入っていなかったのだが、まぐれ当たりがあり口座残高が少し大きくなっていた。
この証券口座でも余資が系列銀行の預金にプールされる仕組みだったのだ。
この口座については、リスク管理という観点でなく対処していた。
米国でインフレが高まった時、銀行預金ではどんどん実質ベースで減価してしまうとの危機感が増したのだ。
そこで、預け金をゼロにするよう、短期債ETFを売買するようにした。
いわば手動スウィープだ。
売買頻度がとても低いので、これで十分だった。
(頻度の高い人はアルゴリズム等を検討されてもいいかもしれない。)
かくして、この口座について多額の銀行預金を抱えるリスクは去った。
国内口座についても似たようなことをすればよかろう。
「Buy low, sell high.」の投資家なら、今は売りのタイミングだ。
長期投資家なら、売りは比較的負担の小さい営み。
のんびりできるうちに脇を締めておくのもいいのではないか。
(7/13追記)
筆者の取引証券会社のスイープ・サービスではスイープ金額の上限が設定できるとのこと、お教えいただいた。
これにより預金保険の点はクリアできる。
一方、インフレ対策の必要は残る。
(余談だが、仮に証券会社が分別保管を怠り投資家に損失が発生した場合、日本投資者保護基金より1人当たり上限10百万円まで補償される。)