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【短信】わからない。大きな動きが待っている:佐々木融氏

ふくおかFGの佐々木融氏が、米ドルにも円にも弱い材料がある中で、この先為替相場に大きな動きがありそうだと話している。


(ドル円が)金利差に沿って動いている時は投機筋の動きだろうが、今回はまさしく米国から資金が流出している可能性がある。

佐々木氏が東洋経済オンラインのインタビューで、先週のドル安、米国債安(金利上昇)について語った。
(直前まで米国株も下げていたから、トリプル安だった。)
日米金利差の拡大とともに起こったドル円の下落への1つのありうる説明である。
同氏は、トランプ政権が政策変更しない場合、資金流出が継続しドル円がさらに下落し、ドルが基軸通貨の地位を失う可能性に言及している。
逆にそれゆえに佐々木氏は、米国がどこかで大きく政策変更すると見ており、先行きは見通しにくいと述べている。

30分余りの濃いインタビューになっており、一見の価値のある内容だ。
最近の市場でナラティブになりつつあるシナリオ・懸念がオブラートにくるまれることなく語られている。

以下、注目のポイント:

  • 長い目で見て円安の方向性は変わらないが、ドルにも弱い材料がある。
    「わからない。少なくとも何か大きな動きが目の前に待っている。」
    佐々木氏は10円といった小幅ではなく、大幅な上げ下げを想定している様子。

佐々木氏は従前どおり、円相場について長い目で見て下落方向を予想している。
佐々木氏は日米の関係について、注目がトランプ大統領の側に向けられるが、日本がどう反応するかが重要と話した。

ちょっと不安定になったから1人4-5万円配りましょうなんていう紙切れの価値がずっと維持されるというのはちょっと難しい。

タリフマン・ショックの前から、日本人が対米証券投資に慎重になっていると報道されることもあった。
佐々木氏の話を聞く限り、米市場に対してどういうスタンスを取るべきか以前に、日本に対してどう向き合うかが重要であるように思われる。
為替で言えば、ドル安+円安を警戒すべきだろうか。
長い目で見て、米資産への投資をシフトダウンするにしても、日本の投資家の外国投資への食欲は継続するのかもしれない。

仮にドル安と円安でドル安が先行するのなら好都合かもしれない。
ドル安+円安であっても円高ドル安なら、米国による《円安誘導への非難》は説得力を減じるだろう。
また、対ドルでの円高は、ドル資産を買うチャンスを増やすかもしれない。
もっとも、投資家が米国を投資先として不適切と考えるなら、その限りではないのだが。


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