バブルの研究家としても知られるGMO創業者ジェレミー・グランサム氏が、バブルの中でも推奨してきたクォリティ株の本質を語っている。
ビジネススクールではみんな、高いPERは輝かしい未来を反映したもの、と教わる。・・・
市場の予見力が正確に、完全に、教わったのと真逆とは、なんという奇妙な矛盾だろう。
老バリュー投資家がMorningstarで、バブルの特性を語っている。
市場は将来の利益成長gが高まったと予想するとPERを拡大させる。
しかし、実際にはそれには限界があり、いつか市場は高まったはずのgが期待外れに終わるのを目撃することがある。
グランサム氏は、高いEPSと高いPERが調整に向かうことを「ダブル・ジョパディー」(一事不再理ならぬ二重の危険)と呼んでいる。
グランサム氏は、パンデミック後2021-22年のバブルが2023年に破裂しようとしていたと見ていた。
しかし、そこにAIブームという新たなバブルの種が見いだされ、新たなバブルが前のバブルと融合し拡大を続けたと考えている。
バブルにはしばしば「新たな発明」が付きものだとし、AIが本物だからと言ってバブルが崩壊しないわけではないという。
実際、鉄道にしてもインターネットにしても、その発明が本物だからこそ熱狂を招いたという。
市場が現実よりはるかに先に進んだためにバブルとなり、崩壊したのだ。
今後どうなるかは別として、グランサム氏に言わせれば、バブルは今も続いている。
割高な市場で同氏はしばしばクォリティ株を推奨している。
グランサム氏はその推奨の真意を説明する。
クォリティー株の本質とは独占だ。・・・
みんなこれまでいつもクォリティを高く安定したリターンと定義してきた。
競争的な社会で高く安定したリターンを上げる唯一の手段は、競争的でない間隙、つまり独占を見出すこと、防御のための堀を備えることだ。
これはウォーレン・バフェット氏をはじめとして多くの投資家が共有する考え方だ。
グランサム氏もまたこの考えを採っている。
ただし、こうした銘柄選別の不確実性が今増えているという。
これは将来にとって大きな大きな問題だ。
政府は、これら基本的に米国の巨大企業が社会を牛耳るのを許すのだろうか。
それとも、巨大企業を解体したり、利益率を下げるような手段を講じるのだろうか。
世界の国々が需要の取り合いに傾く中で、各国政府は国内企業の独占に極めて寛容になっていた。
バイデン政権は、若き米連邦取引委員会委員長を擁し、巨大企業に厳しい姿勢を見せている。