ウィリアム・ダドリー 元ニューヨーク連銀総裁は、米経済の先行きが不透明と話す一方、確実によくないテーマもあると話している。
米金融政策はどれだけ景気抑制的か?
FRBは現在かなり抑制的と見ているようだが、経済はまだ疾走している。
アトランタ連銀のGDP Nowによる今四半期の予想は3.4%と、今のところ経済が強く抑制されているようには見えない。
ダドリー氏がBloombergで、FRBの政策運営の危うさを指摘した。
FRB内の予想と金融政策の方向性の間の食い違いを指摘したほか、そもそもFRBの予見力が他者より大きく優れたものでないと明かしている。
同氏は、経済の先行きが不透明とし、次々出てくる経済データがノイズとしてそれを増幅し、FRBを悩ますだろうと語った。
ダドリー氏は経済データについて、個々のデータを見るのではなく、ある程度の塊で解釈すべきと説教した。
「市場は現在、直近の経済情報に過剰反応している。
政府が公表するデータが単なる推計や調査に過ぎないことを認識していない。
・・・さらにニュースはもっと悪い。」
ダドリー氏は経済以外の要因を尋ねられると、政治について上下院の勢力が拮抗する限り振れは小さくなると予想。
一方で重要なのが、トランプ候補が示す関税引き上げへの意欲だと話した。
「辞書で最も美しい言葉は関税」と話す同候補は、関税の税率を10-20%(対中国は60%)へ引き上げると表明している。
関税賦課の権限については議論があるが、トランプ候補は議会承認なしに大統領令で実行可能と主張している。
ダドリー氏は、過半数の選挙民が関税引き上げを支持している現状を心配する。
95%のエコノミストがトランプ氏の政策が消費者物価を上昇させると答えた、シカゴ大学による調査を引いて解説した。
シカゴ大学は左翼の学校じゃないだろう。・・・
これは左か右かの問題じゃなくて、エコノミストはかなり同意見だ:
関税引き上げは物価上昇を引き起こし、米消費者はそれに耐えなければならない。
そして、消費に悪影響が及ぶにもかかわらず、FRBが利下げを躊躇することにつながりかねないのだ。
その場合も政権は自らインフレ的な政策を進めながら(あからさまにか、内々にか)FRBには利下げを望むのだろう。