投資

チャーリー・マンガー 【短信】チャーリー・マンガーの教え:キャニオンパートナーズ

キャニオン・パートナーズのジョシュア・フリードマン氏が、人生最良の投資アドバイスを尋ねられ、故チャーリー・マンガー氏のある言葉を挙げている。


チャーリー・マンガーは以前、物事が3つのカテゴリーに分類されると言っていた。
Yes、Noと、理解するには複雑すぎる、の3つだ。

(訳注: マンガー氏の原文では「複雑すぎる」ではなく「難しすぎる」となっている。)

フリードマン氏がデービッド・ルーベンスタイン・ショーでのインタビューで語った。
人生で最良の投資アドバイスは何だったかとの質問に対する回答だ。

質問の答、つまり投資アドバイスとしては少々抽象的な表現になっている。
多くの人はこれを、無知の知や謙虚さを持てとの意味と解しているようだ。

フリードマン氏は、自身の解釈を語る。
その解釈は、分類のみならず、分類後のアクションにまで及んでいる。

「忍耐強くなければいけない。
チャンスが豊富に与えられている時は積極的でなければいけない。
そうでない時は相当に規律を高めなければいけない。」

ちょっと飛躍しすぎのようにも感じられるが、言いたいことはわかる。
投資対象や環境をよく見定め、忍耐と規律をもって判断・実行することが重要と解釈したのだろう。
フリードマン氏は、マンガー氏やウォーレン・バフェット氏がこの忍耐と規律を保ってきたと話す。

フリードマン氏が今、忍耐と規律を主張する背景には、投資環境の変化についての同氏の観察があるようだ。

「これまでの時期、金利がばからしいほど低い時期、後から見れば愚かに見えるモノでも投資するのは容易だった。」

米国では2009年以降、日本ではアベノミクス以降、言葉は悪いが《賢くないほど儲かる相場》が続いたと振り返られることがある(実際にはもう少し辛辣な形容が付される)。
金融緩和(easy money)はイージーなやり方をも肥やす政策だった。

フリードマン氏は、そうした時代が終わったと言いたいのだ。
それでいて、自社においては、3つの分類を「少し無視している」と明かしている。
複雑さに重心を置いたファンド運営を行っているためだという。
それでもなお忍耐と規律のメッセージは有用と話している。

一般投資家にとっても意味のある解釈かもしれない。
投資家の中には、プロだろうとアマだろうと、相応の忍耐を有する人はいるだろう。
しかし、規律となるとそう簡単ではない。
規律を保つためには、そもそもルールが必要だ。
(ルールは忍耐にも必要かもしれない。)
アマの投資家の中に、自身の投資活動に明確なルールを持った人がどれだけいるか。
そうしたルールは、たとえトレンドが変化した時にも維持できるものでなければいけない。
そういうものを持つべき、あるいはイメージすべき時が近づいているのかもしれない。


-投資
-,

執筆:

記事またはコラムは、筆者の個人的見解に基づくものです。記事またはコラムに書かれた情報は、商用目的ではありません。記事またはコラムは投資勧誘を行うためのものではなく、投資の意思決定のために使うのには適しません。記事またはコラムは参考情報を提供することを目的としており、財務・税務・法務等のアドバイスを行うものではありません。浜町SCIは一定の信頼性を維持するための合理的な範囲で努力していますが、完全なものではありません。 本文中に《》で囲んだ部分がありますが、これは引用ではなく強調のためのものです。 本サイトでは、オンライン書店などのアフィリエイト・リンクを含むページがあります。 その他利用規約をご覧ください。