いつもは保有するNFLチームに付きっ切りのデビッド・テッパー氏が珍しくCNBCで投資について語っている。
同氏は2009年からの米市場の長期上昇を的確に予想し、その後の歴史的な強気相場は《テッパー・ラリー》と呼ばれている。
中国人民銀行は期待を上回った。
潘総裁はもっと、もっと、もっとやると約束した。
テッパー氏がCNBCで、中国人民銀が24日発表した広範な金融刺激策を評価した。
26日に中国共産党が示した財政刺激策とともに、世界における投資に大きな影響を及ぼすと予想した。
同氏は世界のほとんどが金融緩和を進める中、有望市場としての優先順位を語った。
「米国は現時点の投資で最優先の市場ではない。
中国が1番、アジアが2番、日本、韓国。
いや、日本の前にアジアとと欧州だ。」
テッパー氏は、日本株に投資すべきとしつつ、チャンスと危うさの両方を説明した。
チャンスは、中国の金融・財政刺激策の恩恵を最も多く享受する国の1つである点。
一方、危うさについては少しもったいぶった話しぶりだ。
「選挙なんてどうでもいい。・・・
ある候補はアベノミクスに戻そうとしているのかもしれないが、そんなのどうでもいい。
みんなまだそれをわかっていない。」
テッパー氏は何が理解されていないというのか。
同氏は日本の刺激策と外国投資家から見た日本株について解説する。
「日本が刺激策を講じれば、経済は過熱する。
日本経済が過熱すれば、利上げしなければいけなくなる。
利上げすれば、円高になる。
円高になれば、株式市場が要注意になる。
どこまでかによって株式市場以外にも及ぶ。」
日本経済の安定の一因が実は慢性的な低成長にある点を指摘している。
外国投資家からすれば、日本の経済成長率の改善が円キャリー巻き戻しを連想させるのかもしれない。
テッパー氏は、欧州株・日本株よりも高バリュエーションの米国株市場についても、「過去と比べてやや割高」としつつ複雑な見方を吐露した。
それは、多くの人が半ば期待している1990年代後半の再来だ。
当時経済は悪くなかったが利下げが実施され、1999-2000年のバブルの一因となった。
「私はバリュー投資家だから、バリューの観点からは米国市場を好まないが、ショートしたいという気持ちも強くない。
世界中で金融緩和がなされ、比較的経済はよく、中国は大型刺激策を実施しようとしている状況だから、神経質になっている。
だから、米国をロングしないのにも心配がある。」
テッパー氏は、ヘッジファンド・マネージャーらしい悩みを語っている。
米国株はショートできない。
アジアのどこにもショートできるところはない。