モルガン・スタンレーのマイク・ウィルソン氏が、来年前半に米市場が調整を迎えうるとし、レラティブバリュー戦略を提案している。
来年起こりうるのは、インフレ再上昇による年前半の調整だ。
ウィルソン氏がBloombergで、来年前半に米市場が調整しうると予想した。
ウィルソン氏は来年の米市場について強気の予想をしているが、一方で不確実要因が多く、相場やテーマが行ったり来たりしうるとも話してきた。
このところ米インフレのニュースに大きなサプライズはないが、決して順調に低下しているわけでもない。
11日発表のCPIは前年同月比+2.7%、12日発表のPPIは同+3.0%といずれも加速している。
インフレが思うように下がらないとFRB利下げが難しくなり、これが経済や株価の重しになりかねない。
ただし、ウィルソン氏は株価についてさほど心配しているようには見えない。
でも、これはS&P 500についての話で、実際には平均的な銘柄はさほど下がらないだろう。
仮に調整があっても、マグニフィセント7に代表される、すでに大きく上昇した銘柄群中心の下げになるとの予想だ。
この予想から、ウィルソン氏はレラティブバリュー戦略を提案している。
これは面白いレラティブバリュー・トレードになる。
やれる人は、今から考えておくとよい。
典型的には、これまで上昇を牽引してきた銘柄群をショートし、Russell 2000(小型株指数)などをロングするなどだろう。
(ただし、このやり方は少々極端かもしれない。)
もう少し穏やかなやり方としては、S&P 500(加重平均指数)をショートし、同イコールウェイト指数をロングするなどが考えられよう。