ローレンス・サマーズ元財務長官が、トランプ大統領によるウクライナに対する資源権益要求について厳しく批判している。
「ほとんど信じられないことだ。・・・
第2次世界大戦後のマーシャルプランでは、米国は西欧の再建・復興を可能にする重要な資金提供を行った。
それこそが冷戦での勝利に不可欠なものだった。・・・
詳細こそ知らされていないものの、トランプ政権が提案しているのは、侵略国ではなく侵略の被害国に(賠償を)課す、ヴェルサイユ条約のような合意だ。」
サマーズ氏がBloombergで、ウクライナに対して支援への見返りを求める米国の姿勢を批判した。
トランプ大統領は、支援の見返りとしてウクライナにレアアース供給を求めている。
サマーズ氏はこれを、侵略の加害国でなく被害国に賠償を課すようなやり方と非難している。
サマーズ氏が言及した、第1次大戦後のヴェルサイユ条約では戦勝国が敗戦国ドイツに対し厳しい賠償責任等を課している。
(このケースではドイツは侵略国と解釈でき、加害国への罰とみなすことができる。)
サマーズ氏は、この厳しいペナルティがドイツの恨みを買い、第2次世界大戦の一因になったと語っている。
同氏はあまりヴェルサイユ条約を評価していないようだ。
その上、今回のウクライナとの《ディール》では明らかな被害国に賠償を要求している。
歴史を見返すと、米国はヴェルサイユでの過ちを超える過ちを犯しつつある。
ネヴィル・チェンバレンが犯した過ちを超える過ちを犯しつつある。
米国は侵略国をなだめるだけでなく実質的に支持しているのだ。
チェンバレンは1937-40年の英首相(ウィンストン・チャーチルの前の首相)。
チェンバレンのドイツに対する宥和政策はドイツに軍拡の猶予を与え、ヒットラーの暴走を許したとの批判がある。