アリアンツ主席経済顧問モハメド・エラリアン氏は、米景気後退入り確率の予想を引き上げる一方で、FRB利下げ回数は年内1回に据え置いている。
「(今年のGDP)予想のメジアンは2.3%だ。
今後数週間で全面的に下方修正されるだろう。
下げ幅は0.5-1.0%ポイントになるのではないか。」
エラリアン氏がBloombergで、米経済成長率が年初の予想を下回ると予想した。
仮にそうなれば、米経済は失速しかねないという。
同氏は景気後退入り確率について、年初には10%としていたが、今は25-30%に引き上げたという。
市場の景気見通しは急激に悪化している。
それを反映し、市場が織り込む年内のFRB利下げ期待も(1回25 bpとして)1回だったのが3回に拡大している。
エラリアン氏はこの織り込みを「過剰」と指摘している。
市場は景気だけを見て、インフレの動向を無視しているという。
インフレには再上昇の兆候も見られ、同氏の利下げ予想は1回のままだ。
エラリアン氏は、リスク市場に対しては一方的な予想を述べていない。
2009年以降の長い上昇の中で、投資家が押し目買いの条件反射づけをされてきたためだ。
「押し目買いは儲かる戦略だったし、今や行動面のバイアスになっており、過去の売り相場よりはるかに大きく売られない限り投資家はバイアスに逆行しなくなっている。
リバウンドがあっても驚かない。」
エラリアン氏は、現在の不透明性の主な震源となっているトランプ政権について、近いうちに政策の転換があるとは予想していない。
これら比較的小さな混乱はよりよい結果へたどり着くための一部分であるとの信念が示されるだろう。
問題は、この実行がとても困難なことだ。
人の心理、家計・企業の心理をコントロールすることはできないためだ。