ドラッケンミラー氏はCNBCで、従前からの米国債ショートを継続していると明かしている。
FRBが利下げに転じた後も長めの金利は上昇すると見ていたためだ。
同氏は根拠として、FRBの誤り、アニマルスピリット、財政状態の悪化を挙げている。
金利上昇が株価の足を引っ張るというドラッケンミラー氏だが、それでもさらなる上昇の可能性があるという。
市場サイクルに対する見方からであり、同氏は現在が野球で言えば「おそらく7回」だという。
しばしば7-9回に大きく儲けることができる。
先述のアニマルスピリットの中でFRBが刺激策を取れば、市場価格がメルトアップする可能性もある。
ドラッケンミラー氏は、予想ではないと断りを入れた上で、仮にメルトアップとなればインフレ上昇につながると指摘。
このため金利上昇予想、米国債ショートを続けていると語った。
みんなが警戒する関税について、ドラッケンミラー氏はプラス面も見ている。
「完璧な世界」なら10%の関税でも反対するが、財政が悪化し社会保障を削減しないなら、関税にも利点があるという。
関税は一部を外国人が払ってくれる消費税だと話し、10%であれば報復等のリスクも高くないと語った。
ただし、ドラッケンミラー氏は、こうした選択を「2つの悪のましな方」と話し、「関税マンとは呼ばれたくない」と話している。
ソロス・ファンドでスコット・ベッセント氏の上司だったドラッケンミラー氏は、財務長官に指名されたベッセント氏の能力を高く称賛した。
実際、ベッセント氏の人事は、市場関係者のみならず議会からも歓迎されたようだ。
ドラッケンミラー氏は、ベッセント氏の国際市場・財政への知見を高く評価したが、だからと言って米財政運営を楽観視はしていない。
政権にとっての最大のリスクは財政とインフレの両方だ。・・・
彼が引き継いだのは巨大な巨大な問題だ。
ドラッケンミラー氏は、すでに防衛費をも上回る利払い負担について、コントロールするのが至難の業になると考えている。
だから、米国債はショートなのだ。