アリアンツ主席経済顧問モハメド・エラリアン氏が、強い結果を示した12月の米雇用統計にコメントし、経済・市場に及ぼす影響を解説している。
「市場がどう反応するかわからないが、これは米経済にとっては良いものだ。
2つのことが確認できた:
米経済は依然堅調であり、他の先進国経済より大きく上回っている。」
エラリアン氏がBloombergで強い雇用統計についてコメントした。
一方で、米金利上昇の影響で他の先進国の金利に上昇圧力が加わることについては懸念も述べている。
それでも、米経済が悪いよりは良い方がよいと話している。
「最悪なのは、世界の経済成長の唯一の推進力を失うことだ。・・・
米国(経済)は強くあり続けなければいけないが、諸外国も政策を協調させる必要がある。」
エラリアン氏はCNBCで、好調な米経済がもたらすドル高についても言及した。
「これが多国籍企業に影響する。・・・
ドル建てで見た国外からの利益にとって逆風になる。
これは米国が諸外国を上回っているという現実を示している。」
ただし、エラリアン氏は、金利と為替の関係が単純ではない点にも言及している。
英ポンドや新興国通貨では、名目金利が米国より高くても、通貨が売られていると指摘。
同氏は、債券自警団と揶揄される市場行動が世界的に高まっている点は認めたものの、それ以上に成長・インフレ・債務といったファンダメンタルズの方が効いているとの見方を示した。
エラリアン氏は、為替と企業利益の関係について貨幣錯覚に陥らないよう、丁寧な言葉遣いで語っている。
はしょって《ドル高で利益が下押しされる》とは言わず、ドル高で「ドル建てで見た国外からの利益」が小さく換算されると説明している。
ドル建ての名目の利益が小さく計算されるからといって、ドル安の方が株式の価値を高めるわけではない。
ドル高の原因が強い米経済であるという好ましい事実がもたらす現象の1つにすぎないことを意識しているのだ。