CNBC Internationalが日本の空き家問題について投資対象としての是非という観点から伝えている。
米CNBCの国際ニュース部門(本拠地ロンドン)はどう伝えたのか。
その短いビデオはまず、日本では高齢化により9百万軒、全住宅の約14%が空き家になっていると紹介。
実質的にただ同然の値段(番組では「1万ドル」もあると紹介)になっているものもあり、海外からも多くの関心を集めているという。
一方で、リノベ費用、言葉の壁が問題になるとも述べられている。
外国人による購入をサポートしている業者いわく
「不動産をとても安く手に入れることはできるが、リノベーションに20-30万ドルもかかり、よい買物ではない。」
外国人にとって「よい買物」でないなら、多少の差こそあれ、きっと日本人にとってもそうなのだろう。
一方、ビデオでは、20年前にロサンゼルスから京都北部の山間の200年前の民家へ移住したアメリカ人の話も紹介している。
その地に住みたいと思うならば「よい買物」になりうるのだろう。
これには但し書きがつく。
ほとんどの場合、空き家のリノベはパッション・プロジェクト(訳注:生きがい、使命感でやる仕事)になる。
なぜなら、空き家は買ったその瞬間から減価を始めるからだ。
住まない投資家にとっては「パッション・プロジェクト」にはなりえまい。
これでは、日本の不動産価格は(局部的な異常値を除き)上がるまい。
ドル円相場は2021年から円安基調、インフレへの悲鳴が続くのに、東証REIT指数は2021年にピークを打ち、その後はじり貧だ。
日本は、不動産がインフレヘッジにさえならない国なのか、と首を捻りたくなる。
あまり多くの家を規制なく外国人に買われるのも心安くないが、ほとんど関心を集めない状況というのも困りものだ。