オークツリー・キャピタルのハワード・マークス氏が、米市場は下げる可能性の方が高いと考えながらも、それに賭けるにはオッズが悪いと話している。
「50年超の投資業界での経験で私は5回大きな予想を発信し、いずれも正しかった。
でも5,000回発信していたら、おそらくよくて半々だったろう。
バイアスを廃することができなければ、正確さは40%、30%に下がってしまうだろう。
コンセンサスが正気と思えないほど間違っていて、ほとんどの意見が一致するようなケースは少なく、予想とは難しい。」
マークス氏がthe marketで、市場の先行きを予想することの難しさを説明した。
仮に市場に過剰があると信じている場合でも、その過剰がすぐに解消される保証はない。
逆にバブルなどでは人々の予想を超えて過剰が拡大していくこともある。
マークス氏は、大きな変化を確信をもって予想できるタイミングはほとんどないと話している。
現状の市場についても「楽観的だが正気を失っているというほどではない」と話す。
「現在の水準では(米)株式は20-30%割高だ。
したがって、今後1年で市場が下げる可能性の方がたぶん大きいだろう。
確率を例えば60-65%と言っておこう。・・・
これは確実というのから程遠く・・・信頼できるものから程遠い。」
マークス氏は現在の米市場について、下げに賭けるにはオッズが小さすぎると話している。
実際、現在の米市場を予想するのは難しい。
景気は多くの人の予想以上に長く良好な状況が続いており、株価も依然高値を試し続けている。
上げても下げてもおかしくないと思わせるところがある。
そこにきて、新政権の「予測不可能」な動向が不確実性を高めている。
結局のところ言えるのは、世界が不確実になっているということ。
さらに、いわゆるテール・イベントがトランプ政権では発生しやすい。
分布曲線の両側でだ。
斬新でプロビジネスな政策は大成功を収める可能性もあるし、大失敗に終わる可能性もあるということだ。
マークス氏は「逆バブル」つまり潜在的にチャンスとなりうる割安な投資先を尋ねられると、中国とオフィスビルにおいて可能性があると答えている。
バリュー投資・逆張り投資にはバリュー・トラップ(割安のまま放置されること)もあるうるとの指摘に対しても、マークス氏の信念は揺らいでいない。
それこそ最善のものがありうる場所だ。・・・
たくさんの鉱夫が掘っている山では採掘権が高騰する。
他の山は間違いかもしれないが、少なくとも混んではおらず、いくらか採掘場所が得られ、金が見つかる可能性があるかもしれない。