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【短信】財政政策では中国経済は救えない:ケネス・ロゴフ
2025年4月4日

元IMFチーフエコノミスト ケネス・ロゴフ ハーバード大学教授が、中国経済復活のための処方箋について語っている。


過去数十年にわたる中国の経済発展には敬意を払うべき点が多いが、2008年の後に実施された大規模刺激策は、多くの進歩主義的ケインジアンが主張するような完全な成功ではなかった。

ロゴフ教授がProject Syndicateで、2008年以降の中国の財政刺激策について論評している。
自身もニューケインジアンと目される教授だが、ケインジアンの中でも大きな意見の相違があるようだ。

2008年のリーマン危機では、まず米国が大きな打撃を受けた。
それは欧州に飛び火し、債務危機が発生した。
バブルとは遠い存在だった日本も煽りを受け、深刻な不況に陥った。
そこで、ただ一人無傷で立ち上がったのが中国だった。
中国は世界各国の財政支出を肩代わりするように大規模な財政出動を行い、自国経済を拡大させ、世界経済を救った。
これを絶賛する人たちは少なくなかった。
何しろ、中国の財政支出により、自分たちの財布が傷まずに済んだのだから。
そして、世界は助けられた。
少なくとも米経済には再び繁栄が戻った。
しかし、入れ替わりに中国には停滞が訪れた。

ロゴフ教授は、IMFの推計を紹介している。
2027年にも公的債務対GDP比率が100%を超え、民間含めると300%を超えると予想されているという。
また、財政刺激策による急成長の結果、総需要の1/3がインフラと不動産セクターに偏っている。
特に不動産セクターの不振は広く知られるところだ。
教授は、住宅価格の急落で家計に逆資産効果が発生しかねず、そうなれば消費需要が崩壊しデフレ圧力になるという。

資産デフレからデフレへ?
どこかで聞いた話だ。

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