ウィリアム・ダドリー 元ニューヨーク連銀総裁が、株式市場の《いいとこどり》について危機感を漏らしている。
「トランプがやると言っていたことをやるならば、難しい経済運営になる。」
ダドリー氏がBloombergで、新政権の経済運営の危うさを指摘した。
FRBの要職に就く以前、ゴールドマン・サックスでチーフエコノミストを務めた同氏が、最近では珍しく株式市場にフォーカスしている。
「株式市場は、規制緩和や法人減税で企業の利益率が上昇すると言っている。
一部正しい議論だろうが、その他のトランプ政策の帰結を忘れている。」
ダドリー氏が問題視するのは、関税、移民、財政に関する政策がインフレや金利の上昇要因となる点だ。
債券市場は早速悪い面に素直に反応したが、株式市場は十分に反応していないという。
すでに株式市場のバリュエーションが極めて高いところから始まる。
債券利回りが上昇すれば、それが株式市場の重しになる。
私は現時点で株式市場に対し大いに強気にはなれない。
ダドリー氏は、FRBによる金融政策の舵取りが難しくなっていると話す。
12月のFOMCについては25 bpの利下げを予想しつつ、その後の展開についてはデータ次第だと語っている。
「仮に、予想より経済が強いまま、インフレが粘着的なままならば、12月の利下げが当面の期間で最後の利下げになるかもしれない。」