著名投資家レオン・クーパーマン氏がCNBCに出演していたが、中でも自身の昔話、感慨を語っているところが興味深い内容だった。
「私がウォール街でのキャリアを始めたのは1967年2月1日だ。
当時ダウ平均は1,000で、15年後の1982年も1,000だった。」
クーパーマン氏がCNBCで、自身のキャリアについて触れた。
クーパーマン氏はフィナンシエになるとすぐニフティフィフティ・バブルを経験し、その崩壊を経験した。
そして、インフレの1970年代とボルカー・ショックまでをつぶさに目撃したのだ。
ニフティフィフティは、一部優良企業が米株式市場を牽引した時代であり、最近のテック主導の市場と似た面がある。
1970年代と言えば、今回のインフレの前のインフレ期だ。
PERが低下し、市場が上がらない時期を観察することができた。
そういう時期に備えようと思う。
インフレと金利の上昇はPERの低下要因になる。
仮に企業利益が上昇しても、同程度PERが低下するなら、株価が横ばいを続けることになる。
高インフレを考えれば、横這いの名目株価は大幅な実質株価の下落を意味している。
クーパーマン氏は、今後の市場について、そういうイメージを抱いているのだろう。
クーパーマン氏は、ウォーレン・バフェット氏なら株価下落を喜べるのだろうと言いながら、自身は憂鬱そうだ。
現在進行中の変化が一過性のものとは見ていないのだ。
「株式市場に長く精彩に欠けるパフォーマンスの時代がやって来るんだろう。
今起こっている変化は本格的なものだと思う。」
トランプ関税の混乱の中で、クーパーマン氏はどういう投資をしているのか。
関税が後退すれば反騰もありうるかとの問いに対しても、あまり期待をしていないような答を返している。
短期的な上昇は起こるだろうが、今はいい買物がない。
だから、私は市場が強い時には売っており、弱い時だけ買っている。
環境を信じておらず、弱い時もそんなに多くは買っていない。
クーパーマン氏は、弱気の理由として高い株価倍率、政府債務の積み上がりを挙げている。
「大統領は明らかに積み上がった債務問題に対処しようと決心している。
30年にわたる経済的不始末を一夜にして正すことはできない。
彼は正しいことをやっているが、速すぎる。」