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【短信】CNBCが少し触れたステイケーションとは

CNBCがアメリカの夏休みの出費について短くレポートしている。
いくつか気になる数字を紹介しよう。


「米国における1人あたり1週間の休暇の費用は2,000ドルをわずかに切る水準だ。」

パンデミックが去り、再び旅行が活発化する中、CNBCが夏休みのための懐事情を伝えている。

1週間の夏休み旅行の費用の平均は1,993ドル(32万円弱)だという。
1週間行く場合、夫婦と子供1人で約1百万円もかけていることになる。
問題は財源だ。
36%が借金を予定しているという。
(旅行する比率も借金する比率も、若い世代ほど高くなる傾向があるという。)
日本では決済手段としてクレジットカードを使う人は多いが、そのまま借金として持ち続ける人はこれほど多くないのではないか。

ビデオでは米国でのクレジットカードの平均金利が21.59%と紹介。
1百万円をこの金利で借り続けると年20万円を超える。
単年の夏休み旅行が月2万円弱の利払い(元本返済を含まず)負担になる計算だ。

アメリカ人もいろいろ工夫しているという。
金利ゼロのキャンペーンをやっているクレジットカードを申し込むとか、クレジットカードでなく個人ローンを申し込むとか、401K年金のローンを使うとかだという。
これらの工夫をすれば一時金利は減るのだろうが、それは高々月2万円弱の部分の議論でしかない。
1百万円を来年の夏までに返そうと思えば、月の元本返済は8万円程度必要であり、この部分への解答にはならない。
結局、借金を返済しない限り、最後には引退後の資金が減ってしまうだけなのだ。

ビデオでは事前の計画が重要と説いている。
使ってから払うのではなく、使う前に考えろというわけだ。
お金の算段の前に、バーゲンを狙う、時期・行き先を考えるなどが重要だという。

それにしても驚いたのは、1人1週間32万円弱という金額。
これはちょっと多すぎないか?
案の定、少々誤解を招きやすい説明になっていた。
アメリカ人の47%が夏休みの旅行をスキップし、その65%が金銭を理由に挙げたという。
そういう人たちは、最初から32万円弱に入っていないのだろう。

ビデオでは平均金額が紹介されているが、ここにもミスリードがあるかもしれない。
実際にはもっとつましい人が圧倒的だが、一部の大金持ちが平均を引き上げているのかもしれない。

これに関連し、日本では聞きなれない言葉も出てきた。
「staycation」だ。
自宅で休暇を楽しむことのようだ。
47%が旅行せず、その中に積極的に自宅での休暇を楽しもうという人がいるらしい。

これには理解できる人も多いだろう。
引退、特にFIREした人たちは第2の人生を楽しむことになるが、旅行だって何度も行くうちに飽きるかもしれない。
遠くに出かけなくても日頃と違った生活を楽しむ工夫は(お金の問題は別としても)必要なのかもしれない。
もちろん負け惜しみですけど・・・


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