オークツリー・キャピタルのハワード・マークス氏がブラジルのオンライン・イベントで応じたインタビューが公開されている。
「投資家が、何が起こっているかわかっていると思うのは、本当に大きな間違いだ。
世界はそんなに規則的ではないし、予見可能でもない。
いつも失望する可能性があるものだ。」
マークス氏が、投資の世界の無知の知について語った。
同氏とオークツリーは、マクロ予想に基づく投資を行わないことで有名だ。
マークス氏は、いかなるマクロ予想もそのまま信じることはない。
信じるべきでないことは証明されているとして、FRB金融政策を例に説明した。
「FRBはPhDを有する経済学者を何百人も擁しているが、FRBが何を行うか予想できていない。
みんな、物事がいかに予見不可能か認識すべきだ。」
こう一般論を述べた上で、今後のFRB利下げについての市場コンセンサスを「楽観的」と表現した。
マークス氏は、市場コンセンサスより金利が高止まりする可能性も見ているようだ。
一方で、長く続いてきた金利低下局面については終焉を迎えつつあると考えている。
同氏は、金利低下局面に起こっていた例を語った。
「レバレッジを効かせた投資は、繁栄と金利低下に参加するすばらしい方法だ。
米国のように繁栄と金利低下の追い風を受けている間、レバレッジ投資は最高だ。」
超長期の金利低下が終わり、上昇に転じれば、借金は首を絞め始める。
実際、今回の短期的な利上げサイクルでもそうなっている。
マークス氏は、LBOなどを用いたプライベート・エクイティ・ファンドを例に挙げ、ファンドや投資家の中に苦境に立たされる人が出てくると予想した。