オークツリー・キャピタルのハワード・マークス氏が、投資において売り時をどう決めるべきかについて話している。
何かいつもと違うことをした後の最大の試練とは、いつ(勝っていることを)をやめるかではなく、それが功を奏するまでどれだけ長く継続するかだ。・・・
勝っていることをいつやめるかは小さな問題であり、功を奏していないことをいつまで続けるかこそ大問題だ。
マークス氏がMoney Maze Podcastで、投資における売りの問題について話している。
マークス氏がしばしば口にする「二次的思考」。
群衆と異なる、よりよい考え方をすることを指す。
群衆より優れた見識で先んじてよい投資対象を見出し投資すれば、勝利の確率は上がる。
しかし、群衆がついてくるまで、しばらく孤独にさいなまれることになる。
逆張りならば、初めのうち含み損を我慢することも多かろう。
問題は、投資家がいつまで待つべきかだ。
マークス氏は、ニフティフィフティの嵐が吹き荒れた1970年代初めに学んだ格言
「時代の先を行き過ぎることは、間違っていることと区別がつかない」
を紹介している。
自分が二次的思考と思っている考えは本当に優れているのか、それとも単なる誤りなのか。
投資とはある意味理不尽なゲームだ。
優れた投資家が正しい見通しで先んじて投資を行っても、他の投資家がそれに追随しない限り成果が上がらない。
結局、他の人が間違った行動を続け、投資が失敗に終わるかもしれない。
期待通り、他の人がついに追随してきて成功するかもしれないが、往々にして実るまで時間がかかるものだ。
特に大当たりを狙う場合、その起伏も大きくなる。
よほどの自信家でない限り、心安からぬ時間を過ごすことになる。
マークス氏はいつまで待つかについて画一的な答を持たないようだ。
「答は、度量の大きさ、頑強さ、感情的にならないこと、覚悟だ。
でも、20年待っても実らなければ、愚か者であり、破産するだろう。
だから中庸が必要だ。」
この賢人が画一的な答を持たないということは、おそらく存在しないのだろう。
だから、孔子のようにアナログな答になる。
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