アスワス・ダモダラン ニューヨーク大学教授のMotley Foolインタビュー第2弾: FPではこの内容を《ダモダランのパラドックス》と呼ぶことにした。
偉大な投資家についての読書はやめないといけない。
ダモダラン教授がThe Motley Foolで語った。
読者の皆さん、FPなんて読んでる場合じゃないですよ。
FPではダモダラン教授を優れた学者であり(金額こそ小さいだろうが)偉大な投資の実践者と考え、多く取り上げてきた。
教授の今回の教えを《ダモダランのパラドックス》と呼ぶことにしたい。
ダモダラン教授によれば、ウォーレン・バフェットに関する書籍を多く読んだ投資家のパフォーマンスはインデックス・ファンドに負けていることが多いのだそう。
「現実には、偉大な投資家とは《投資家としての質》と《稼働している時間》の両方の掛け算だ。
ウォーレン・バフェットはその両方で有利だった。
それを真似るのは容易ではない。」
相変わらずニヒルな達観だ。
このインタビューではダモダラン教授は珍しく、自身が運用する家族のお金について触れている。
「ちなみに子供たちについては、成長するにしたがい彼らのお金を個別銘柄からファンド、インデックスファンドへ移している。
個別銘柄はケアとメンテがはるかに多く要るからだ。」
ダモダラン教授は以前から投資のストレスについて「スリープ・テスト」と呼ぶチェック法を実践している。
「自分のポートフォリオの展開がどうなるか心配で夜眠れないようなら失格」だ。
その場合、やり方を変えないといけない。
ところが、教授は一度も失格となったことがない。
投資の目的を「平穏」とし「投資におけるカルマ(業)の道」を歩いていると話してきた。
ダモダラン教授は、この「平穏」が誰にでも当てはまるとは限らないと考えている。
家族にポートフォリオの心配をさせたくないとの思いから、インデックスに移しているのだという。
(次ページ: バリュー投資で語られるポートフォリオのケアとメンテの矛盾)