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アスワス・ダモダラン インフレ退治は道半ば:アスワス・ダモダラン

アスワス・ダモダラン ニューヨーク大学教授が、米インフレについて語っている。


「考慮しないようにしている。
ある意味それに関して私ができることはないからね。」

ダモダラン教授がEquity Matesのインタビューで、インフレ・金利・金融政策をバリュエーションにどう反映させるべきか尋ねられて答えた。

マクロの変数に対して何かやれることはなく、バリュエーションのプロセスになるべく雑音を入れないようにしたいとの趣旨だろう。
ダモダラン教授は「考慮しない」と答えつつも、近年インフレが市場やバリュエーションに大きな影響を与えている点は認めている。

「過去200年のインフレの歴史を顧みれば、過去10年が異常値だ。
今が異常な時代と考えるより、過去10年が異常な時代で、それがより正常な時代に戻りつつあると考えるべきなのだろう。」

つまり、ディスインフレ/デフレに戻るとは考えない方がいいということのようだ。
ダモダラン教授は、インフレが「信じられないほどしつこい」現象であると話している。
状況が「正常な時代に戻りつつある」のなら、インフレ退治が困難なのは想像に難くない。
教授は、予防と初動が重要と話している。

「瓶の中に魔物が閉じ込められていて、外に出たがっている。
仮にインフレが一過性だと思っても、恒久的なものとして扱い、素早く直せ。
ひとたび瓶の外に出してしまえば、元に戻すのは困難になる。」

ダモダラン教授は、FRBが初動で誤ったと批判している。
インフレを「一過性」として金融緩和を継続し、ついに瓶から魔物を解き放ってしまったという。
結果、FRBは従来ないスピードでの利上げを余儀なくされた。

(FRBは)これがサプライチェーンやコロナのためだと言い、時すでに遅く、インフレは瓶から外に出てしまった。
現時点でもまだ瓶の外にいると考えている。
半分押し込めたかもしれないが、方向転換するかもしれない。


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