例年、バフェット氏は米経済・市場に対し強気のメッセージを発することが多い。
今回もないわけではないが、はるかに警戒感の方が強く伝わってくる。
どのような理由であれ、市場は、私が若かった頃に比べよりカジノのような挙動を示している。
今やカジノは多くの家の中にあり、日々住人を誘惑している。
人生の財務面でのファクトを忘れてはいけない。
ウォール街は・・・顧客に儲けてほしいのかもしれないが、本当に住人を動かしているのは熱狂的行動だ。
そうした時代、いかなる愚かなことも、それが売れるなら、みんなではなくとも一部の者によって常に盛んに売られるものだ。
投資業界において不誠実な行いが横行していると示唆したものだろう。
幅広い分野での有害な行為という意味では、決して「一部」ではなく「多く」がそれに加担していると見ているようだ。
バークシャーの目標は、2008-09年少しだけそうだったが、国にとって資産として機能し、金融の火を消し止めることだ。
他の多くの企業のように、過失かどうか別として、大火を引き起こすことではない。
バフェット氏がこき下ろす「他の多くの企業」が「大火」を引き起こし、そこに助け舟を出す。
バークシャーが儲かり、国にも寄与する、というストーリーになっている。
実際、リーマン危機後はそう機能した。
今回の年次報告書ではインフレへの言及は少なかった。
米インフレが落ち着きつつあるためだろう。
ただし、1か所、好調な保険業務における年金計算に関して、インフレを「ワイルドカード」と呼んでいる。
今は定かにはわからないが、将来大きな計算違いを生みうる要因と言う意味だ。
これは年金だけに限らず、あまねく投資にあてはまる話だろう。