ウォーレン・バフェット氏の年次株主総会での発言: 投資対象地域について。
私たちの主要な投資先は常に米国内にある。(CNBC)
バフェット氏が、従前どおり、主戦場を米国にするとの意思を語った。
BYDの次となるような中国・香港への投資はあるのか、との質問への回答だ。
同氏は、BYD投資の経緯を明かした。
「チャーリー(・マンガー)が2度テーブルを叩いたことがあった。
『買い、買い、買い』と。
1つがBYD、もう1つがコストコだ。」
バフェット氏はしばしば自認しているが、決して国際派ではない。
相棒だったマンガー氏の方がはるかに外国への関心が強かった。
BYDへの投資でもマンガー氏はさっさと自身の運用ポートフォリオでの投資を決め、バークシャーに投資を促したことが後に問題視されたこともあった。
そうした嗜好の違いの他にも、バフェット氏には理由がある。
自社の責任と強みという観点だ。
「私たちは米国志向であり続ける。
超大口案件は米国内となる可能性が極めて高いだろう。・・・
私たちはあなた方のお金を預かっており、失うことはできない。
本当に大きなミスを犯す可能性は外国より米国においてとても小さいと感じている。」
マンガー氏の力が大きかったにせよ、バークシャーもBYDでは大きく儲けている。
今回の総会中、バフェット氏は何度も日本の5大商社への投資に言及し「圧倒的な説得力」と称賛している。
その中の1か所で、当該投資にこめた同氏の狙いが垣間見えるところがあった。
「これはわが社の規模の問題だが、これら他社(訳注:5大商社のことと思われる)を通して世界経済に参加しても、米国以外で多くの投資先を見つけるのは難しい。
しかし、私の理解では、弱さであれ強さであれ米国は統治している。
同じ感覚を世界の他の経済については感じない。」
これを聞いても、バフェット氏の商社株投資は、日本を買ったというより商社の投資先である世界を買いたかった様子がうかがわれる。
世界に分散したポートフォリオとしての商社株に投資するほか、商社を世界経済への水先案内人として活用したいのだろう。
根本には、バフェット・ファンが同氏から学んできた通り、わからないものには投資しないという基本姿勢がある。
(その意味で、日本の商社はバフェット氏から高い信頼を勝ち取ったといえよう。)
総会では、いくつか投資の地域についての質問もあった。
1つはカナダで、バークシャーもエネルギー関連事業等で地盤の1つとなっている。
「私たちはカナダに大金を投資することにためらいはない。
実際にかなりうまくいっている件もある。」(CNBC)
バフェット氏は、カナダにはなかなか規模のあるチャンスが少ないというが、それでも「商売をする上で確信が持てる主要経済」と見ているようだ。
もう1つ質問が出たのは目下大人気のインドだ。
バフェット氏も、インドに大きなチャンスがある点は認めている。
インドのようなところに大きなチャンスがあるのは確信している。
問題は、私たちがそうした企業への洞察力、投資できる状況において優越しているかだ。(CNBC)
バフェット氏はインド投資について、自身の代の話ではなく次の経営者の仕事だと話した。
インド投資は競合が多く、いまだバークシャーが勝てる理由を見出していないようだ。