ゴールドマン・サックスによるサイクルの4局面
1つ目はゴールドマン・サックスのピーター・オッペンハイマー氏。
同社のポッドキャストで、市場サイクルの4局面を解説していた。
オッペンハイマー氏は、各局面の特徴と最近典型的にあてはまる時期を解説している:
- 弱気相場: 景気後退前後に起こる。
- 希望: 成長の始まり。投資家が市場回復を期待し始める。
「もっとも短期だが、もっとも力強く、バリュエーションが大きく拡大する傾向。」
(企業収益の回復より先に期待先行で株が上がり始めるため株価倍率等が上昇する。)
パンデミック後の2020-21年がこれにあたるという。 - 成長: 最も長い局面で、企業の利益が回復し始め、拡大し、配当も増える。
株価は比較的ゆっくりと上昇し、バリュエーションは縮小を始める。
(株価に遅れて企業収益が実際に回復すると、株価倍率等が低下する。)
2022年3月まで。 - 楽観: 金利上昇にもかかわらずバリュエーションが再拡大。
2022年末から2023年初。
オッペンハイマー氏は、足元がどこかは明言していないが、今後は株価は横ばいに近くなると予想している。
話の流れからすれば、楽観か弱気相場であるように見えるが、サイクルとは必ずしも一本調子に進まないこともあるので早合点は禁物かもしれない。
この「楽観」というのが最後のひと上げに対応するものだろう。
サイクル終期にインフレが起こり、利上げが行われ、利上げが終了すると、その後にメルトアップが起こることがある。
金利は高いものの、利上げの恐怖が去り、人々が楽観に振れるためだろうか。
この時期、個人投資家がさかんに市場に参入することもある。
(遅れて参入して討ち死にするパターンだ。)
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