ダブルライン・キャピタルによる年初恒例の座談会から、ジェフリー・ガンドラック氏による今年の投資のベスト・アイデアを紹介。
私が2024年だけでなく40年余りで学んだのは、将来の道筋について正しく予想していても、実現までには予想よりはるかに長い時間がかかるということだ。
すべてのことは、あなたが可能と思っているよりはるかに長く続くものなんだ。
ガンドラック氏が座談会の第3部で、経験から得た教訓を語った。
前年の座談会頃までガンドラック氏は米経済・市場・ドル相場にかなり弱気な見方をしていた。
景気後退やリスク市場のピークアウトを予想していたが、予想に反して景気・市場は好調を継続している。
昨年の座談会でも、予想より長く時間がかかると言っていたから、同氏の弱気予想は時間軸について当初よりだいぶ後倒しになってきたのだろう。
それでも、上記の発言を見ても、ガンドラック氏は自身の考えを「道筋について正しく予想して」いると考えているようだ。
そうした思いの上で、ガンドラック氏は「2025年の投資のベストアイデア」を次のように語った。
- 現金等価物: (ウォーレン・バフェット氏の30%ほどではないが)25%。チャンスに備え、ひどい負けを防ぐ。Tビルだけでなく短期 高格付のフィクストインカムで。
- フィクストインカム: 50%。主に中期ゾーン。特に割安となっているエージェンシーMBSやCMBS。うち10%はクーポンの小さい長期国債。
- 米国株: 単純平均S&P 500指数ファンドを15%。
- 原子力・ウラン生産: 5%。
- インド株: iShares MSCI India ETF(INDA)に5%。30年以上保有する予定。
ガンドラック氏は趨勢的・長期的な金利上昇を見込んでいるのに、長期国債も10%含めている。
これに疑問を持つ読者もいるかもしれない。
これは以前から話していたことだが、同氏がテールリスクとして米国債のリストラの可能性を見ているためだ。
財政悪化によるデフォルトでは、まずクーポンの軽減・減免から始まることがあるとし、元のクーポン・レートが低ければヘアカットされる部分も低くなりうると考えているのだ。
同氏は、超低金利時代に発行されクーポン・レートが最低レベルの銘柄を想定している。
「(仮にクーポンを利率1%までヘアカットされる場合)クーポン6%の銘柄なら価格は70%程度下落するが、クーポン1%の銘柄なら価値は下がらない。
クラッシュへの保全となり、財務省がFRBと組んで行う信頼のおけない行動・債務管理の影響を受けなくてすむんだ。」