ジェレミー・シーゲル教授は、株式と債券の魅力やヘッジの考え方について従前からの持論を繰り返す。
まずはPER 20倍前後の米国株。
トランプ大統領の任期はあと3年半。
シーゲル教授は、米企業の利益のすべてが2年間飛んでも株価の10%分、利益の半分が4年間飛んでも株価の10%分だと説明。
トランプ関税は永遠には続かないとして、すでに10%超下げた米国株に対し過度な悲観をしないよう促した。
「間違いなく長期では株式がよいというのが私の意見。
短期のリターンは必ずしもそうではないが、長期のリターンは今、最高値を付けた2月9日より魅力的になっている。」
エントリー価格が下がった分、長期リターンは有利になったとの説明だ。
一方、従前どおり債券に対しては厳しい。
「この状況で10年債利回りは4.49%。
財政赤字と関税がインフレを上昇させようとしている時に、10年債は魅力的だろうか?」
シーゲル教授は先週と同様、益回りと物価連動債利回りから目の子計算で株式リスクプレミアムを計算し、低めだがまだ健全な水準にあると主張している。
一方で、債券がリスクヘッジになるとの意見については、明確に意識されていない条件が存在する点を指摘している。
過去3-4日の債券の動きはどれだけ有効なヘッジだったか?・・・
債券は通常すばらしい短期のヘッジになる。
日々株価が大幅下落する中、債券が上がる。
そういうところからみんな『債券が欲しい。緩衝材が必要だ』と言う。・・・
その一方で、債券は長期ではインフレ期、ボラティリティに対する最悪のヘッジなんだ。
フィクストインカムと呼ばれるように、債券にはリターンを固定する性質がある。
それが、短期で見れば、債券を優秀なヘッジに見せている。
しかし、インフレ期には、債券はインフレによる損失をもフィックスしてしまう。