ジェレミー・シーゲル教授はお疲れだったのだろうか。
いつものような猛々しさのない語りについて、私たちは勘繰るべきなのだろうか。
「なんて週だ!
木曜日にGDP統計を見てがっかりした。・・・
突然すべてのスペクトルがスタグフレーションのようになった。」
シーゲル教授がウォートン・ビジネス・ラジオで、経済成長と物価の統計が期待外れだったことから話し出した。
もっとも、そこは《永遠のブル》だ。
その後は統計の中身、他の指標(会社利益など)に良いものがあるとし、前向きなトーンに戻している。
さらに話題はFRB金融政策に及ぶが、先週まで「金利より経済」と正論を述べていたこともあり、金融政策や金利から説得力のある強気の結論を出すのは難しそうだ。
今週のシーゲル教授の語りの特徴を挙げるとすれば
- やや言い訳っぽく、話が長かった。
- (お疲れだったのか)活舌が少し悪かったように聞こえた。
- 水戸黄門の印籠とでもいうべき「私はまだ強気だ」「市場はまだ上向きだ」というフレーズがなかった。
(ただし、話の流れは強気を前提としたものだった。)
ただの勘繰りすぎだろうが、シーゲル教授はかなりショートノーティスで見方を変えることがあるので、一応用心しておきたい。
このポッドキャストで面白かったのは最後の質疑で中国についてコメントしたところだ。
シーゲル教授は条件付きながら中国株を割安で魅力的と話している。
ハンセン指数のPERは8倍で、上海総合指数は11倍だ。
(このPER水準なら)大きな成長は必要ない。
墜落さえしなければよい。
この水準なら、習近平がさらに民間セクターを抑圧したり、台湾ほかで軍事的野心を実行しないかぎり、私には魅力的に見える。
(タイトルに誤字があり修正しました。)