デービッド・アインホーン氏率いるグリーンライト・キャピタルが、昨年2024年第4四半期の投資家向け書簡で、暗号資産にかかわる熱狂におけるクールな儲け方を明かしている。
「グリーンライト・キャピタルのファンド(以下「パートナーシップ」)は2024年、手数料・費用差引後で7.2%のリターンを上げた。
同期間のS&P 500のリターンは25.0%だった。」
グリーンライトが、2024年通年で市場をアンダーパフォームしたと報告している。
エクスポージャーの平均はロング90%、ショート54%。
グリーンライトは同時に1996年の開始以来のリターンも示している。
ネットで3,117%、年率12.9%(S&P 500はそれぞれ1,421%、10.0%)と大きく市場を勝っているという。
つまり、遠い過去は極めてよかったが、近年苦戦する年が多いのだ。
同社のようなロング・ショート型のファンドでは、長く続く強気相場が見かけのリターンを押し下げてしまう。
書簡では個別銘柄での勝ち負けを論じているが、戦略自体の原因として、年後半、特に12月にバリュー株が15営業日連続で下落した点を挙げている。
一方、リスク調整後で見ると通年で+6.4%のアルファだったという。
アルファ(%) | |
---|---|
ロング | -12.5 |
ショート | 10.6 |
指数ショート | 0.2 |
マクロ | 8.1 |
合計 | 6.4 |
ネットでの市場エクスポージャーが小さい割には十二分にリターンが取れているといいたいのだ。
書簡では現状の環境でのネット・エクスポージャーについて次のように書いている:
債券に対する株式市場のリスクプレミアムがゼロまたはややマイナスと見る人もいる。
そのような状況では、多くの市場エクスポージャーを受け入れる意味はないと考える。
裏を返せば、こうした考えに基づく投資の結果、出来上がりのリターンではS&P 500をアンダーパフォームしてしまったのだ。
(そして、投資家はリスク調整後だけでなく出来上がりのリターンも大いに重視する。)
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