以下、ハワード・マークス氏の達観の骨子をいくつか紹介しよう:
- バブルには「新しいもの」がともなう: チューリップ、南海泡沫、インターネット、ABS、・・・。新しいから先例に当たれず、熱狂しやすい。
- あらゆるバブル・熱狂には一片の真実があるが、程度を超している。
- バブルの参加者は成功を前提として評価を行うため、下方リスクを想定できない。
- すばらしくあり続けるのは難しい。2000年初めのS&P 500の上位20銘柄のうち2024年も上位20位に残っていたのは6銘柄。Mag7ではマイクロソフトのみ。
- 1988年から2014年までの27年で見ると、当初バリュエーションとその後10年のリターンには強い相関がある。PER 22倍の時に投資するとリターンは常に±2%の間に収まった。
- バブルに反対しても損するだけ。ほとんどの人は集団妄想に追従する。
- バブルへの対処法:
- 何を買うかではなく、いくら払うかが重要。
- よい投資とはよいモノを買うことではなく、何かをうまく買うことだ。(例えば、安く買う)
- 割高にも危険にもなりえないほどよい資産などなく、バーゲンになりえるほど安くなりえない資産は少ない。
マークス氏は最後に、自身の議論に対する反対意見の例を紹介している。
- S&P 500のPERは高いが、ばかげてはいない。
- Mag7は信じられないほどの企業であり、高いPERは正当化されうる。
- 『高すぎる価格なんて存在しない』なんていう話は聞いたことがない。
- 市場は高値でおそらくバブルっぽいかもしれないが、私にとってはばかげたものではない。
文脈から見て、マークス氏は、こうした議論が間違っている、あるいは、間違っていなくとも一方的な議論であると考えているのだろう。
そして今回のMemoで論破済みと言いたいのだろう。
初心者ならずとも、読者の中にもこうした議論をする人はいないだろうか。
FPはといえば、FPも1つ目については日頃から繰り返しているのが実情だ。