GMOの共同創業者ジェレミー・グランサム氏が、バブルの継続を主張しながらも、投資できる対象をいくつか挙げている。
「もしも商売上のアドバイスが欲しいなら、『ファイナンシャル・アドバイザーは常に狂ったように強気であれ!』となる。
それが彼らの商売にとって最良の道だ。
そしもあなた自身のお金の話なら、『相当に用心しろ』だ。」
皮肉屋のグランサム氏が、ファイナンシャル・アドバイザー向けメディアThink Advisorに語った。
投資にかかわる商売では、当の投資家を除けば、強気であることが概してより儲かる道であることを示した発言だ。
同氏は、米経済が少なくともマイルドな景気後退に入ると予想している。
米企業の利益は期待外れに終わり、米国株も期待外れに終わるとし、割高の米国株を避けるよう奨めている。
グランサム氏は買える資産クラスをいくつか挙げている:
- 日本株・新興国市場: 割安。
- 米国株では
- クォリティ: このファクターに関し市場は非効率で、退屈な銘柄として放置されている。弱気相場で有利になる。
- 気候変動: たたかれとても安い。各国が対処の重要性を認識しつつある。
- 資源: 不人気で安い。
- 超割安: 割安・割高の格差が「かつてないほど」広がっている。
バブルの研究で知られるグランサム氏は、米市場のパンデミックからの急回復の過程でバブルの発生を宣言していた。
そのバブルはもう崩壊しているはずだったが、そうは見えない。
同氏は2022年の年初からの下げがバブル崩壊だとし、その後下げを止める材料が現れたという。
「AIが旧来のバブルに割って入ったんだ。
典型的には、あのバブルはまだ20-30%は下落するはずだった。」
マグニフィセントセブンに偏った上昇が市場全体の下げを小さくしたとの説明だ。
グランサム氏は皮肉いっぱいにAIを評価する。
「AIはビットコインとは違ってでっち上げではない。」
グランサム氏は、AIの長期的な重要性を認めている。
そして、インターネットからの類推を語りだした。
AIがあまりにも急速に注目を集めたことで、ドットコム・バブルに似たことが起こると考えているのだ。
「同じことがAIでも起こるだろう:
それが引き起こした信じられないような陶酔感が破裂し、しばらくの間、関連する多くのものの足を引っ張るだろう。・・・
このバブルは興味深い歴史的遺物となり、市場はもっと合理的水準に戻るものと推測している。」
グランサム氏は、米国株について利益もバリュエーションも高すぎると見ているようだ。
だから当然、米国株は奨めない。
同氏は投資の「鉄則」を紹介している。
『資産を買うのにたくさん払えば、リターン(率)は低くなる。』
これが今日間違いなく当てはまる。
S&P 500はインフレ調整後では新高値を更新していない。