アスワス・ダモダラン ニューヨーク大学教授がNVIDIA、Apple、Alphabet、Metaの株について投資妙味を語っている。
割高・割安よりも投資のオッズを議論したい。
ダモダラン教授がCNBCで、マグニフィセント・セブンの「バリュエーション」(PER等)について尋ねられて答えた。
《バリュエーション学長》とも称される教授だが、重視するのは狭義のバリュエーションではなくDCFだ。
近時の業績だけでないところまで見ようというのがダモダラン教授のスタンスだ。
教授の銘柄ごとの「オッズ」の見方は:
- NVIDIA: 株価は高く不利。
- Apple: 良くも悪くもない。
- Alphabet、Meta: 有利。
Alphabet、Metaについてオッズが有利とはどういうことだろう。
これら企業では、ある程度、コア事業以外から何か出てくる可能性があり、そうならボーナスになる。
・・・
オッズが最良なのは、少なくともその時点で好まれている銘柄群に入っていない企業なのだろう。
つまり、今は株価倍率の高低よりも、将来業績の分布、市場予想に対する上下へのブレの可能性を勘案すべきという意見だ。
ダモダラン教授は、よい業績発表が株価上昇につながらない現状を説明しようとしているのだ。
市場が見るのは市場予想に対する実績であり、そこで上振れする可能性がどれだけ残っているかで投資妙味が決まってくる。
ダモダラン教授は、7銘柄中NVIDIAを最悪のオッズとする意見について含蓄のある解説を付している。
「これはあくまで投資家としてだ。
トレーダーとしてならすべて逆になる。
NVIDIAはすべてモメンタム次第で、ファンダメンタルズや事業内容は関係ない。」
ダモダラン教授は投資と投機(トレーディング)の間に上下をつけるほど偏狭ではない。
これは単なる選択の問題だ。
モメンタムで動いている株の短期変動をファンダメンタルズや事業の将来性で測ることはできない。
しかし、投資であれば、それらこそが重要なポイントになる。
教授は、NVIDIAが有望な市場に恵まれた、競争上の「堀」を有する優れた企業であると認めた上で、株価が意味する不利なオッズを端的に説明する。
「3兆ドルの時価総額から逆算すると、売上1兆ドル、70%の利益率が今後10年継続することが必要であることを意味している。
・・・どんなアップサイドが残っているのか。・・・
期待はいつかの時点ではリセットされざるをえない。」
ダモダラン教授は、机上の空論だけでなく自らも実際に投資を行っていることでも知られる。
マグニフィセント・セブンについて、最近もすべてにエクスポージャーを有していると話していた。
NVIDIA株については1年前に半分を売り、今後も大きく割高となったところで残りの半分を売るつもりと話している。