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パッシブ投資が市場を壊すプロセス:アインホーン
2024年4月29日

デービッド・アインホーン氏率いるグリーンライト・キャピタルが第1四半期の投資家向け書簡で、パッシブ投資が市場を壊すプロセスをわかりやすく解説している。


「グリーンライト・キャピタルのファンド(以下「パートナーシップ」)は2024年第1四半期、手数料・費用差引後で4.9%のリターンを上げた。
同期間のS&P 500のリターンは10.6%だった。」

グリーンライトが第1四半期の不調を報告している。
四半期末のエクスポージャーはロング108%、ショート63%。
ただし、不調の原因は上げ相場の中でネット・ロングが小さかったことではない。
ショート銘柄はトントンだったのに、ロングが(手数料・費用差引後)2.2%しか上昇しなかったことに原因があった。
(ショートのアルファはプラスとなったが、ロングのアルファはマイナスだった。)

足を引っ張った最大の要因は石炭会社CONSOL Energy(CEIX)。
石炭価格の下落のほか、輸送路にあるフランシス・スコット・キー橋の崩落の影響を受けた。

一方、マクロ投資は好調で、SOFR(担保付翌日物調達金利)では2024年12月限月を売り建て、成果を出している。
経済・インフレを見る限り、(当時の)市場の6-7回の利下げ織り込みは過大と見たものだ。
四半期末には、市場は利下げ幅の織り込みを0.60-0.85%に縮小。
同社はまだ過大と見ているが、極端ではなくなったため、ポジションを閉じている。

また、そう大きなポジションではないはずだが、最近の金価格上昇でも恩恵を受けている。
同社にとっても最近の上昇は少々意外だったようで、その原因を推測している。

「この上昇が、金融・財政政策の両方の持続性と英知に対して市場が疑い始めたことと関係している可能性はあるものの、他の兆候はそうでないと示唆している。
私たちの現在の説は、東側が西側から金を買う趨勢的なトレンドが存在してきたというもの。
おそらく、西側が売りたい金は尽きつつあるが、東側の需要はいまだ強く、価格を押し上げたのだろう。」

(次ページ: 壊れた市場での稼ぎ方)


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