エラリアン氏はこうした活動について、馴染みの深い経営学のチャートを引いて解説している。
緊急と重要の2軸を有するマトリックスだ。
「私たちは緊急で重要なものを知るのにとても長けていて、緊急でも重要でもないものを知るのにもかなり長けている。
でも足をすくわれるのは、しばしば緊急だが重要でないものに集中して、緊急でないが重要なものに集中しない時だ。
重要だが緊急でないものが戦略課題に他ならない。」
経営における戦略とは(戦術との比較で)より長い方向性を示す言葉だ。
同様に投資においては、長期投資を意識した言葉である。
定期的に立ち止まって大きな方向性を確認せよとのメッセージだろう。
インタビュワーは、不確実な経営環境で投資すべきか否かをどう決断すべきかと尋ねている。
環境は良好なままかもしれないし、悪化するかもしれない。
そうした二極化したシナリオが想定される中で、今はリスクオンなのか、どう決断すべきか、と聞いている。
エラリアン氏は、企業経営における判断が難しいことを認めた上で、投資ならばバーベル戦略が有効と話している。
バーベルの両側に
- 安全資産: ベータ依存が小さい。金利上昇で最近はいいリターンが得られる。
- リスク投資: 上手に構築されないといけない。
を据えることで、回復力、俊敏性、広い選択肢を持つ投資家になれるという。
安全資産を保有することで、打たれ強くなるだけでなく、チャンスにすぐに対応できる。
安全資産とリスク資産の両方を保有することで、選択の幅や視野が広がるというわけだ。