モルガン・スタンレーのマイク・ウィルソン氏は、米景気・市場が依然としてサイクル終期にあるとして、銘柄選別と機動的な乗り換えが重要になると説いている。
これはとても微妙な予想であり、循環株の何を選好しているか明らかにしておきたい。
私たちはまだ、大きく力強い回復が訪れるとは確信していない。
ウィルソン氏がBloombergで、米市場のサイクルについて語った。
同氏は9月の利下げ後、それまで買いを推奨していたディフェンシブ株を中立に格下げしている。
利下げで景気の見通しが改善するとして、大型のクォリティ・グロースと循環株の一部に推奨を移していた。
ウィルソン氏は、現状がいまだサイクル終期だとして、サイクル初期のような大きな回復については懐疑的だ。
同氏は、この数年市場による景気見通しが堅調と悪化の間を行き来していたとし、今回もそうなる可能性を示唆した。
したがって、サイクル初期のように「ジャンキー」(B/Sの弱い小型株等)な循環株でなく、サイクル終期でも買えるクォリティの高い循環株に留まるべきという。
ウィルソン氏は、市場が常に(最近ならAI関連の大型テック株など)「新たなテーマを切望している」との観察を語る。
そうした心理から、最近では一時中国株が買われていたと分析する。
(同氏は中国の刺激策についてまだ買いとは考えていないようだ。)
市場が次から次へとテーマを変えていくのは、資産価格が上昇しているサイクル終期の特徴だとウィルソン氏は話す。
すでに株が高いから、物色の対象を次から次へと変えなければならず、そのためのテーマが切望されるのだ。
ウィルソン氏は、投資家は「積極的に柔軟に対応していく必要」があり、サイクル終期は最も予想の難しい局面になるという。
もしも今投資をするなら、現在の価格で買って7年保有することはないだろうという心づもりを持つことだ。
セクターや個々のテーマを行ったり来たりすることになり、銘柄選別に集中することになるだろう。
うまく行く銘柄はいつであっても見つかるはずだ。
エントリー価格が高くなるために長期投資を始めるには不向きな時期になるとも受け取れるメッセージだ。
ウィルソン氏は、今後の株式市場では「よいものはよく、悪いものはわるく」影響すると話している。