バリュエーション学長の異名をとるアスワス・ダモダラン ニューヨーク大学教授が、マグニフィセントセブンとAIをバッサバッサと斬っている。
「今の価格は、これらすべての銘柄で割高になっている。
でも、NVIDIAは中でも特に割高だ。」
ダモダラン教授がCNBCで、マグニフィセントセブンの株価についてコメントした。
教授はこれら7銘柄を「とても利益率の高い、とても価値のある企業」と評しつつ、株価との比較から銘柄の魅力を語っている。
(ちなみに、ダモダラン教授は7銘柄すべてを保有しているらしい。)
「NVIDIA以外の企業では(価値が)現株価とかなり近い水準にあるが、NVIDIAは近くさえない。」
- NVIDIA: AI向けチップ分野で後発が動き始め、見通しは以前より縮小している。
前回行った株価評価は400ドルであり、現在の682ドルから程遠い。 - Microsoft: 収益を上げうるAI関連サブスク・モデルに最も近い。
ただし、現株価を正当化するには大いにうまくいかないといけない。 - Tesla: 数週間前に180ドルで買った。
- Apple: 調整したと見て、買った。
低速のキャッシュマシーンであり、iPhoneアップグレードの大きさで業績が振れる。
188ドルで買えるなら、7銘柄で一番よい。
相変わらず、投資を知り抜いた現実主義だ。
日頃の発言からわかるとおり、自身の株価評価で割高となっても、投資とは相対的なもの、投資しなければ始まらないもの、よい企業を買えばいいわけでもなく、価値と株価との比較、市場の認識が重要だと達観している。
ダモダラン教授はマグニフィセントセブンの中で今買えるのはTeslaとAppleだと考えている。
ダモダラン教授は現在のAIブームについて次のように語っている。
全体で考えると、AIは市場にとってマイナスだが、NVIDIAのような企業にとっては大いにプラスだ。
しかし、AIに関連するというだけでプレミアムを付すのは怠慢だ。
一部マイクロソフトにも言えることで、恐ろしいことだ。
いつか期待が満たされない現実があらわになるだろう。
興味深いのは、AIが市場全体にとってマイナスと考えている点。
AIのもたらす生産性向上等が、全体の価値創造を小さくしてしまうと見ているのだろう。