ブリッジウォーター・アソシエイツ創業者レイ・ダリオ氏は、世界が「4年後」にはまったく異なる姿へと変容していると予想している。
ダリオ氏があるコンファレンスで、債務問題に端を発する国際需給の悪化の次に起こることを語った。
そうなると中央銀行は2つに1つを選択することになる。
なすがまま金利を上昇させ、資産価格を下落させ、経済を困窮させる。
あるいは、
介入して、大量の貨幣を増発する。
ダリオ氏によれば、後者、貨幣増発が選択されるのが常だという。
そして、結果として貨幣的なインフレが起こる。
同氏は、現在の米国がこの過程にあると考えている。
今後1-3年の(国債)需給を計算したところ、差し迫った問題であることがわかった。
・・・お金は価値の保蔵手段だと思われているが、それが危機に瀕することになる。
「1-3年」という予想のホライズンは最悪の事態まで見ているのだろうから、あまりあてにすべきではないかもしれない。
(経済、市場、システムは思ったより長く粘ることも多く、こういうタイプの予想は往々にして早すぎる傾向がある。)
ここまで状況が深刻になるのには、意外にもまだ短期景気サイクルがいくつか挟まるかもしれない。
ただし、大きなリスクが予想される時には、やはり最悪の事態、つまり「1-3年」も想定しておくべきなのだろう。
ダリオ氏は「4年後」がどうなるかとの問いに次のように答えている。
債務問題、国内・国際的変化、先述の世界秩序の変化、技術の変革、AIが私たちの生活に与える意味などを目の当たりにすることになろう。
ほとんどタイム・ワープするようなもので、完全に異なる世界になるだろう。
そのタイムフレームで、世界はショッキングなほど違ったものになる。
おそらくダリオ氏もまた「完全に異なる世界」がどのようなものか具体的かつ正確に予想はできないのだろう。
後ろ向きに言えば、この上なく不確実な時代となろう。
前向きに言えば、ワクワクするようなエキサイティングな時代だろうか。
ギャンブラーなら、自身の予想による決め打ち・集中を試みるのかもしれない。
投資家なら、幅広い可能性を甘受し分散で臨むのだろう。