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マーク・ファーバーが金を買う理由、香港株

著名投資家マーク・ファーバー氏に縁のある資産クラスがいくつか注目を浴びている。
金や香港株にかかわる意見を聞いてみよう。


金は、文字通り価値の保蔵手段であることを証明したのだと思う。
紙幣は本当のお金ではなく、金が本当のお金だ。

ファーバー氏がGoldSeek Radioで、1971年に35ドルだった金が2,300ドルを超え最高値を付けている点についてコメントした。

ファーバー氏はしばしば《ゴールド・バグ》と呼ばれるほど金に前向きな投資家だ。
ただし、この投資家の話をよく聞くと、金への選好はそう単純なものでないことに気づく。

「金価格の急騰は最終的な変動のように見える。
・・・これは、金・銀がFRBの貨幣増発の経済実態を反映する価格変動の始まりだと考えている。
貨幣増発がなされる環境でS&P 500は上昇するかもしれないが、金価格を基準にした実質ベースで見れば上昇しないだろう。
ここからは金価格はS&P 500をアウトパフォームするだろう。」

こうした発言を見る限り、ファーバー氏の金好きは、金が好きというより、不換紙幣が嫌いという意味合いも大きいことがわかる。
不換紙幣では自身の資産の価値を守れないから、金も必要と考えているのだ。
同氏は、ほとんどの投資家において金へのエクスポージャーが少なすぎると警告する。

「金が3,000ドル、5,000等々まで上がると予想するつもりはない。
私が言いたいのは、個人投資家もいくらか金を考えるべきということだ。」

ファーバー氏は自身のポートフォリオについて、従前どおり金を25%組み入れていると話した。

金への投資については否定的な考えも多い。
有名なところでは、投資家ならウォーレン・バフェット氏、学者ならジェレミー・シーゲル教授。
果実を生み出さない金では魅力的なリターンは得られないとの意見が多い。
実は、ファーバー氏も十分に理解している。

「配当込みで見ると、ダウ平均は過去40-50年、金をアウトパフォームしてきた。」

今後しばらく金が株式をアウトパフォームすると予想しているとしても、過去長期で見れば株式が有利だった。
それがわかっていてなぜファーバー氏は金を買うのか。

私は金持ちになりたくて、裕福になりたくて、金を買ったことは人生で一回もない。
私はたくさん働いてきたから。

ファーバー氏にとって金はあくまで価値の保蔵手段なのだろう。
不換紙幣や金融資産の価値低下から身を守るための金投資と割り切っている。
お金を稼ぐ時は働いて稼ぎ、稼いだお金を守るために金を買っている。

1970年代から香港でのビジネスに携わってきたファーバー氏は、大きく下げてきた中国株・香港株について前向きだ。

「香港株価は人生で見てきた中で最低水準だ。・・・
今や株価は十分に大きく下方に調整しており、大きな上昇が起こる可能性がある。」


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