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ハワード・マークス リスクとの付き合い方:ハワード・マークス

マークス氏は投資の本質を語る。


リスクとは、利益を押し上げる要素だ。
投資家として利益を上げるにはリスクを取り、その判断が正しかったことを証明する必要がある。
私が言うのはリスク管理であって、リスク回避ではない。

余談になるが、月初の大きな資産価格下落で読者はどう行動しただろう。
売った人もいただろうし、買った人もいただろう。
(結果論では、今回は買いが正解だったようだ。)
いずれも判断として正しい・間違いと割り切れるものではなかろうが、1つ間違いと言えるのは、これで投資をやめてしまうことだろう。
投資とはリスクを取ることであり、リスクを取らない人はリスクフリーの利回りしか取れない。
そして、日本におけるリスクフリー利回りはインフレ調整後で一貫してマイナスだ。

マークス氏は、リスク管理の本質を語る。

私たちは損失を切望しているわけではないが、損失の可能性を認識することが成功のための投資計画の主要部分であることを理解しなければいけない。
リスクをとれば、時々は損するものだ。
そう考えれば、時々投資で失敗してもショックを受けずにすむ。
それはあなたが悪い仕事をしたという意味ではないんだ。
・・・平均でよい仕事ができれば、それが投資における成功というものだ。

これも余談だが、個人投資家と会話する機会があると驚くことがある。
儲けることしか話題にならない。
特に株がすでに高値にある時もっと重要なのは、いくら損するかだろう。
仮に過去の悲惨な暴落のように株価が例えば1/3まで下げた時、家計の資金繰りは回るだろうかと考えるべきだ。
そこから逆算していくらリスク投資できるかの上限を出したら、おそらくそのすべてを投資できるようよい投資先を探すべきなのだ。
リスクを管理する目的とは、なるべく多くのリスクを取るためことにある。

金融機関等でリスク管理の経験のある人なら誰もが知っていることだが、煎じ詰めれば、リスク管理とは想定しうる最大の損失を見積もり、それに投資主体が耐えられるかを吟味するプロセスだ。


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