マークス氏は、自らが理事を務める非営利組織の投資委員会で2022年12月、次のように主張したという。
大型株、小型株、バリュー株、グロース株、米国株、外国株を売却しろ。
上場株とともに未公開株、不動産、ヘッジファンド、VCファンドも売れ。
全部売って、資金を9%のハイイールド債に投資しろ。
株を売ってハイイールドを買えとの明確なメッセージだ。
9%という利回りが、過去100年のS&P 500の利回り平均10%強と比べて遜色のない水準に達しているためだ。
ポートフォリオの一部ではなく、すべてをクレジットに配分しろとのメッセージは、誰が発しても極めて異例だ。
マークス氏はクレジットを奨める理由をいくつか挙げている:
- 過去の株式のリターンと比べても遜色ない。
- 多くの投資家の要求リターンを超えている。
- クレジットのリターンは契約上のリターンであり、適切に管理されれば、日々変動する株式リターンよりはるかに不確実性を低くできる。
我田引水、セールス・トーク、ポジション・トークも入っているのだろうが、数年前までとは異なる世界になっているのは理解できる。
ハイイールドとはいえ、クレジットだけで要求リターンをクリアできるなら、触手を伸ばす投資家もいるのだろう。
その場合、優れた運用者が投資先を選別・管理することが大前提なのは言うまでもない。
安易に取り組み、デフォルトばかり引いては文字通り元も子もない。
それゆえにマークス氏の商売が繁盛するのだ。
マークス氏は「This time is different.」に立ち返り次のように書いている。
これは、私のキャリアを通して何度も主張する話ではない。
これは私が初めて主張する大変化であり、クレジット投資を大きく増やすべきという数少ない予想の1つだ。