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債券王ジェフリー・ガンドラックが米国債・米国株・米ドルについて再び大胆なトリプル安予想を語りだした

ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック氏が再びとても大きな予想を口にし始めている。
2021年頃に一度空振りに終わった予想が今実現し始めているという。


大胆に、金が4,000ドルまで上昇すると予想する。
今年そうなるかどうかはわからないが、金が1,800ドルあたりで長く地固めしたことから、そういう動きを予想している。

ガンドラック氏が11日のウェブキャストで、金の大幅上昇を予想した。
主流の予想者としては極めて「大胆」な予想となっている。

「これは、金融システムの外にある、価値の保蔵場所として金が認知されていることを示している。」

ガンドラック氏は、最近の金価格上昇の背景について人々が金融資産への自信を失ったためと考えている。
より具体的な金価格上昇の原因として各国中央銀行の金保有急増を挙げ「これが止まるとは思わない」と話している。

ガンドラック氏は数年前まで、長期金利を占う1つの方法として銅/金比率を用いていた。
しかし、近年この数字の説明力は失われている。
ポッドキャストでは、最近の長期金利が原油、ドル相場と似た動きになっていると解説している。

「これが示唆するのは、10年債利回りがさらに低下しうるということ。
それにはもっと経済が苦戦すること、おそらく深刻な景気後退リスクが条件になる。
トランプ政権は、前回ほど株式市場を気にかけておらず、経済の過渡期を乗り越えることの方に関心を持っていると認めているようだ。」

ガンドラック氏は過去数年、市場の中で弱気派の筆頭格に数えられてきた。
しかし、米経済はコンセンサス以上に強く推移し、同氏の弱気予想は少なくとも早すぎる予想に終わってきた。
いったんは景気後退時期の予想を口にしなくなっていたが、今回は再び弱気予想を明言している。
ガンドラック氏は、2年10年スプレッドの12か月移動平均線が水面上に出つつある点を指摘する。

これがかなり近いうちに起こりそうで、景気後退入り確率が上昇しているようだ。
今年エコノミストは景気後退入り確率を20%に引き下げていたが、30-40%と推計する人も出てきた。
私は、2025年内の景気後退入り確率をもっと上、60%と考えている。

(よく知られているように、米イールドカーブの長短逆転は米景気後退入りの先行指標の1つとされている。
長短逆転し、再び正転し、しばらく経つと景気後退入りすることが多い。
12か月移動平均をとるとこの《しばらく》のラグを取り払うことができるとガンドラック氏は考えている。)

一方でガンドラック氏は多くのインフレ指標についても解説している。
足下ではインフレ高止まりを示唆する指標が圧倒的に多く、スタグフレーション的な将来を予想しているのだろう。
同氏は、景気鈍化とインフレ高止まりの中でFRBが難しい舵取りを迫られると話している。

ガンドラック氏が今回再び大きな予想を語り始めたのは景気だけではない。
米国株についても、以前の予想を再び語りだしている。
同氏は2021年頃、ドル安や欧州株のアウトパフォームを予想し、創業以来初めて欧州株への投資を始めたことがあった。
しかし、その後もドルは高く、欧州株は振るわず、空振りに終わっている。
そのポジションが息を吹き返しつつある。

(次ページ: ジェフリー・ガンドラック氏の大胆な反転予想)


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