ガンドラック氏は、米国株の外国株に対する相対株価が、1970年初めのニフティフィフティ・バブルや2000年までのインターネットバブルを大きく超えていること、それが反転を開始したことを指摘する。
2024年12月24日から大きな反転があり、これが継続すると信じている。
このため、3年半ほど前の欧州株・外国株の推奨を繰り返したい。
ガンドラック氏は、大きな中期的変化の反転を予想している。
これはある面マーケット・タイミングにほかならず、時点まで正確に予想するのは至難の業だ。
だからこそ2021年頃は空振りに終わった。
今回はどうなのか。
同氏は、リーマン危機後の米国株のアウトパフォーマンスの背景を語っている。
「外国人から米国への投資は15年ほど前の約3兆ドルから23.6兆ドルまで拡大している。
20兆ドルが外国人から米国に流入したことが米市場を外国市場よりアウトパフォームさせる力となったのは明らかだ。」
この資金フローは何によるものか。
それは、諸外国が米国に財やサービスを売ったことにある。
米国に対して(直接・間接に)貿易黒字を計上すれば、その代金も(直接・間接に)米国に向かわざるをえない。
ガンドラック氏は、関税、米国とNATOの不和がこの構図を逆転させると読んでいる。
独・英ほかが防衛面での自立を高めるため(防衛産業の)再工業化を進めるなら、ほぼ確実にこの資金フローは逆転する。
それが、継続的、おそらく複数年、もしかしたら10年にも及ぶ、外国株の米国株に対するアウトパフォームにつながる可能性がある。
資金フローが逆転まで至るかどうかは別として、フローベースで米国へのインフローが縮小するのはその通りだろう。
つまり、貿易の不均衡を正そうとすれば、米ドルや米資産が買われなくなるとの主張なのだ。
ガンドラック氏は、この「大胆」な反転予想の背景にある大きな環境変化にも言及している。
おそらく下げ相場では、米市場はアウトパフォームでなくアンダーパフォームすると予想している。
次の景気後退期に米ドルは下げ、米国株市場はアンダーパフォームするだろう。・・・
『過去と逆だ。《今回は違う》という主張になっている』とは言わないでほしい。
現在は趨勢的な金利低下環境ではなく、特に長期側で趨勢的な金利上昇環境にある。・・・
10年債利回り、確実に30年債利回りは上昇するだろう。