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市場は1971年、情勢は第1次大戦と似ている:ビル・グロス

ビル・グロス氏が、トランプ関税に端を発した経済・市場の大混乱について、稀代のトレーダーらしい考えを話している。


これは1971年の金本位制の終焉ならびにすぐさま起こった負の帰結と似た、歴史的な経済・市場イベントだ。
投資家は『落ちるナイフを掴も』うとしてはいけない。
今日の魅力的な『バーゲン』は明日も明後日も続くだろう。

グロス氏が、トランプ大統領の「解放の日」の翌日3日ツイートした。
個々の重要イベントを大きな変化の中で位置づけるあたり、《債券王》らしさが表れている。

グロス氏の最近の発言には弱気の見通しを指し示すものが増えていた。
先月上旬も、日々、関税等のニュースにびくびくしていると明かし、ディフェンシブな運用を奨めていた。

1971年とは言うまでもなくニクソン・ショックの年だ。
この後には何が起こったのか。

  • ドルの兌換停止から素直に急激なドル安へ
  • 石油ショックなどをともなう高インフレの10年
  • ニフティフィフティ・バブル崩壊

当時と今では異なる点も多いが、断片的に似た点もあるのがなんとも不気味だ。
たとえば、下馬評では関税の発表でドルが上昇するとの予想が多かったが、実際にはしばらくドルは対ユーロ・対円で下落した。
今後仮にインフレが高止まりしても、あるいは米国株が停滞してもみんな驚きはしないだろう。

グロス氏は、トランプ大統領が引き起こした混乱が当面続くと見ている。
「トランプはマッチョすぎて、当面は引き下がれない」ため、トランプ関税が世界を混乱させる展開が続くとの予想だ。
こうした環境の中で、グロス氏は控えめなポジション・トークを付している。

「私は金利低下の中、AT&T、ベライゾン、アルトリアなど比較的配当が安定した内需銘柄を買っている。

こうした銘柄でも『買われすぎ』の領域に近づいており、注意が必要だ。」

グロス氏は同日CNBCに出演、現在について「様々なイベント、同盟関係、引っ込みのつかない国々」が存在した、第1次大戦の頃と似ていると話している。
現在の混乱は経済だけでなく、国際関係でも進行中なのだ。

最悪のシナリオは第1次大戦との類似だ。
最良のシナリオは数日後、数週間後、数か月後にトランプが『関税政策が効いて数兆ドルも税収が上がったので少し穏やかにしよう』と言うことだ。・・・
大統領が明日、来週に引き下がることはないと考えている。

グロス氏は、トランプ関税が「為替、世界市場、世界中の経済政策に深刻な影響を及ぼす」と指摘する。
焦らず、冷静に買い場を待つよう奨めている。
また「パニック売りはしないこと」とも話していた。

さらにグロス氏は、他の識者の発言に対する違和感にも触れている。

「驚かされるのは、CNBCのパネリストの中に現金について話す人がいなくなったことだ。
私の現金等価物ポートフォリオの利回りは4.3%で、下がっていない。
様子見を続ける間、現金にしておいても間違いではないはずだ。」

グロス氏は4日も待ちのスタンスを続けている:
ツイートで4点を指摘した:

  • 米金融市場では価値を度外視してレバレッジが巻き戻されている段階
  • 「ETFが売られれば、すべてが売られる」
  • 「レバレッジがかかった落ちるナイフが底に達する」まで、まだ待ち
  • 「来週にはチャンスがやってくるかもしれない」

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