ジェレミー・シーゲル教授が7日発表の5月の米雇用統計について、債券・株式市場に及ぼした影響を解説している。
「債券市場は(利回りが)とても低かった。
とても弱い経済統計が出ていた。
(雇用統計の非農業部門)雇用者数増が予想よりはるかに高かったため(利回りが)戻った。」
シーゲル教授がウォートンビジネスラジオで、5月の雇用統計を受けての金利上昇を振り返った。
5月の米雇用統計は
- 非農業部門雇用者数(前月比)+272千人(市場予想は180-185千人)
- 失業率: 4.0%(同3.9%)
- 平均時給(前年同月比)+4.1%増(同4.0%増)
と、特に非農業部門雇用者数について市場予想を大きく上回った。
インフレ圧力が継続しているとの解釈から、利下げ期待は後退し、市場金利は上昇した。
株式市場の反応についてシーゲル教授は次のように解説している。
興味深いことに、10 bpほどの長期債利回り上昇にもかかわらず・・・株式が影響を受けていないことは、市場がある意味、景気鈍化や景気後退の懸念から安堵したことを示している。
7日の米市場は小幅安で終えている。
よく言えば《ゴルディロックス》、悪く言えば《いいとこどり》のスタンスを市場は続けているようだ。
地政学的トピックスについて意見を求められると、シーゲル教授は、米中関係悪化の恩恵を受ける2か国に言及している。
メキシコとインドは、中国からの撤退の受け皿となっており、両国とも好ましいストーリーがある。
これら市場のPERは国際的水準の中でまだ間違いなく魅力的だ。