オークツリー・キャピタルのハワード・マークス氏が、投資において重要なのは単にお金を儲けることではないと語っている。
おそらく投資哲学に関して私にとって最も偉大なヒーローは・・・私は彼が投資哲学者だと考えているが・・・ピーター・バーンスタインだ。
・・・『リスク ― 神々への反逆』は、確率の歴史に関する本当に偉大な本だ。
マークス氏があるインタビューで、金融歴史家ピーター・バーンスタインについて語った。
マークス氏は以前4冊の書籍を推薦したことがある。
いずれも同氏が何度も言及してきた書籍であり、バーンスタインの本もその中に入っている。
4冊のうち3冊は確率現象に関連するテーマが著されている。
マークス氏は、バーンスタインから大きな影響を受けたと語っている。
ディストレス投資で同氏が長年向き合ってきたリスクにとって、確率現象の理解はとても重要な概念だからだ。
「誰もが、お金を儲けるということの意味は知っている。
ほとんどの人はそうできる。
そんなに難しいことじゃない。」
米市場は、弱気相場が来ても、比較的早く強気相場に復帰する。
そして、前回のピークを更新してしまう。
圧倒的に上げの時期が多い市場だ。
日本にしても、バブル後の失われた10年余りを除けば、下げよりは上げの時期が多くなった。
これが意味するのは、いつも強気予想をすれば半々以上、米国では8割以上の的中率を実現できるし、したがって投資を続ける限り長い目で見てプラスになりやすいということ。
だから長期投資が宣伝されている。
しかし、これは一般の投資家、あるいは投資に注力するつもりのない人にとっての話だ。
投資の世界で少なくとも市場を上回るリターンを得ようとするなら、もう少し目線を上に設定しないといけない。
マークス氏の好きな格言に「強気相場と頭脳を混同するな」というものがある。
同氏は自身の目線をこう語っている:
特に、市場が上昇する時、10年におよそ8年上昇する時、お金を儲けるのは容易であり、奇跡ではない。
私にとって本当の成果とは、リスクを制御した中でお金を儲けることだ。