ハワード・マークス氏は、投資家のバブルへの向き合い方についても語っている。
「平均的なバブルの参加者であってはならない。
平均的な参加者はバブル崩壊で無力になる。」
「平均的な」という形容詞を付けたところを見ると、卓越した参加者であればOKとの含意だろう。
とはいえ、バブルに対して自身が卓越した存在と確信できる人は皆無に近いだろう。
卓越しているかどうかを知るのは困難だ。
しかし、少なくとも「平均的」であるか否かは自覚しうるのではないか。
マークス氏は、他の参加者と同じようにバブルに参加してはいけないという。
投資家は何か「独特な行動をとらないといけない」といい、そうすることが「不快」な時期をともなうと指摘する。
他のみんなが何かをやって儲けていて、あなたはそれをやりすぎで間違いだと信じ、やらずに傍観していて、みんなは金持ちになったとする。
それを不快と思わないなら、何かあなたに問題がある。
しかし、偉大な投資家、あるいはどんな分野でも偉大な参加者になるためには、他の人がやっていることが間違った根拠に基づく場合、それをやらない強さが必要だ。
話題は個別の投資だけでなく資産アロケーションにも及んでいる。
マークス氏は、株価が上昇している時に株式の構成比を引き上げたがるのを「トレンド・フォロー」と呼び、敬遠している。
「行列に加わるのが遅すぎたかもしれないし、もしかしたらバブルの領域に向かう中で乗っかってしまったのかもしれない。
だから、トレンド・フォロワーにならないことが本当に重要だ。
感情やすでに儲けた人たちに従おうとするのではなく、価値と分析から導出された根拠によらなければいけない。
これは双方向で効いてくる。」
「双方向」とは、増やす時、減らす時の両方で影響するという意味である。