新興国市場投資の草分けマーク・モビアス氏が、新興国市場への良質なエクスポージャーを模索するためのアイデアを語っている。
「新興国や新興国市場の1つの問題は、国によって大きく異なることだ。・・・
でも結論としては、新興国は平均ではまだ先進国より倍の速さで成長している。
倍の速さで成長する国の株式市場は、長い目で見ればアウトパフォームする。」
モビアス氏が印NDTVで、いつものように新興国市場に対する強気スタンスを語った。
新興国の経済成長が国によって異なる点については、次のような要因を挙げている。
世界銀行や国際金融公社などの国際機関はついに、裕福にしたければ市場経済を実現しないといけないことに気づいた。
言い換えると、自由な企業、起業家、政府の不干渉だ。
モビアス氏は適切な規制は必要と言いつつも、市場経済の重要性を強調し、かつての鄧小平の言葉「黒い猫でも白い猫でも鼠を捕るのが良い猫だ」に言及した。
モビアス氏は、注目の市場について明言している。
先述の基準で世界をふるいにかけると、インド、中国、その後に米国。
これらにバリューが存在している。
ただし、勘違いしてはいけない。
モビアス氏はマクロ投資家ではなくミクロ投資家だ。
有望な市場を口にすることが多いが、実際に投資するのは厳選した個別銘柄だ。
マークス氏が言及した「先述の基準」とはROC、ROI、利益成長などの数値指標。
しかし、同氏が一番大切と考えるのは経営者の質だという。
これを確認するために、88歳の今も世界中を飛び回っているのだという。
一方で、モビアス氏はPERについて最近は重視していないと語っている。
PERのE(利益)がバックワードルッキングである点が気に入らないようだ。
新興国市場では夢にも投資することが大切なのかもしれない。
今考えているのは、新興国市場株だけに集中するのではなく、米国や欧州の市場を見ようということ。
多くの欧米市場が新興国で稼いでいる。
1987年に新興国市場ファンドの運用を始めたモビアス氏が、先進国株を見直そうとしているのだろうか。