ブラックロックが9日公表した2024年半ばの投資見通しにおいて、日本が確信No.1の株式市場に挙がっている。
ブラックロックは戦術(6-12か月の短期)と戦略(長期)の各々に3つの確信市場を挙げている。
- 短期: AIと米国株、日本株、フィクストインカムのインカム・ゲイン
- 長期: プライベート・クレジット、フィクストインカムの一部、株式の一部
日本株の投資見通しはこうだ:
マイルド・インフレ回帰、株主フレンドリーな企業改革、引き締めでなく慎重に政策正常化を行う日銀のおかげで、最も確信している株式見通し。
オーバーウェイト。
マイルド・インフレと株主フレンドリーな改革がプラス。
日銀は政策正常化を行うと予想するが、強く引き締めはしない。
円安は国際投資家のリターンの足を引っ張る。
ブラックロックのウェイ・リー氏がBloombergで、この推奨について触れている。
- ミクロの見方による見通しだが、マクロ(インフレ回帰)の恩恵も受けている。
- 今後12か月の日本株の利益は7-8%と予想されているが、これを上回るだろう。
- 株主総会で企業統治改革の進展が見られた。
これらの点は確かに強気の根拠だ。
ただし、リー氏の発言でも、円安が海外投資家にとっての注意点として挙げられている。
日本株で勝っても円安で負けては笑えないためだ。
同氏は、当初円安が製造業の業績、日銀の物価目標達成に役立ったものの、選挙が近づくにつれて助けにならなくなってきていると解説した。
あからさまな介入とはならないだろうが、おそらく海外保有資産の日本へのレパトリ促進や外国からの資金流入を誘うような政策が採られ、それが為替安定に役立つのではないか。
判断は読者にお任せするが、少々奇妙だ。
No.1の推奨が日本株なのに、円の価値を安定させるために日本への資金流入を促す政策が期待されている。
海外投資家が為替ヘッジしたがるのには、日本へのマチマチのスタンスが混在するからだろう。
名目で買って実質で負けたら笑えないのは、日本人も同じことなのではないか。